中日・大野雄大投手(26)が10勝目前でまたも足踏みだ。13日の阪神戦に先発。7月8日に9勝目をマークして以来、5度目の“2桁チャレンジ”で7回1失点の好投を見せたが、味方の援護がなく勝敗はつかずに降板となった。

 前回登板(6日)は3連敗中のヤクルト戦を避け、中5日の前倒しでDeNA戦に先発。今回の登板はプロ通算7勝2敗、今季はこの日の試合前時点で3勝0敗、防御率0・56と封じ込めていた阪神戦に合わせるなど、ベンチは何とか2桁の壁を破らせようと必死になっている。しかし、結果として表れない。

 大野は好投したにもかかわらず勝ち星がつかなかったことに「こればかりはしょうがない」と振り返ったが、チーム関係者は「5試合も勝てないのは何かがあるから。たまたまで済ませたらいけない。そこをクリアしていかないと」と警鐘を鳴らす。

 例えば7回の投球。先頭のゴメスを四球で歩かせるとマートン、俊介の連続安打で無死満塁のピンチを招いた。この場面は後続を打ち取り、結果的には無失点で切り抜けたが、チーム関係者は「終盤にピンチを作って崩れるケースが目立つ」といい「先発ピッチャーは6、7回が肉体的にも精神的にも一番苦しい。そこをクリアすればスーッと9回まで行ける。大野はそこでいつもつまずく。それを解消しないといけない」と指摘する。

 そのためには「例えば6、7回に球速のMAXを持っていくようにするとか、工夫が必要になってくる」とメリハリを利かせた投球をすることが必要だという。大野が目指す「“貯金”ができる投手」になるための課題となりそうだ。