清宮は“1人ON”を目指せ! 第97回全国高校野球選手権大会(甲子園)で“スーパー1年生”として注目を集める早実(西東京)の清宮幸太郎内野手は、初戦の今治西(愛媛)戦を4打数1安打1打点の活躍。広島新庄(広島)との2回戦(第8日第1試合)でのさらなる爆発に向けて調整を続けている。そんな清宮に、あの「高校野球芸人」が緊急提言。人気バラエティー番組「アメトーーク!」(テレビ朝日系)でもすっかりおなじみの、かみじょうたけし(37)だ。一体、冒頭の言葉の意味とは――。

 まずね、アレですわ。やっぱ、この夏の話題は清宮クンですよ。彼はホンマに大物の風格がありますよ。常に「自分はトップにいないといけない存在なんや」という帝王学みたいなものをお父さん(ラグビートップリーグ、ヤマハ発動機監督・克幸氏)に叩き込まれているんでしょうね。

 だって発言なんかを聞いていても、普通の高校1年生ではないですもん。パッと浮かんでくる彼のコメントでも「(甲子園で)暴れたい」とか…。そうそう、その初戦が終わって4打数1安打1打点をマークしても、確か「1本くらい打たないと示しがつかない」と言ったんですよね。ちょっとすごすぎちゃいますか?

 高校野球という枠の中でこういうブッ飛んだ発言って、誰もしてこなかった。教育の一環というのがあるので、とりあえず「頑張ります」「全力を尽くします」とかの発言が一般的になっているのに、清宮クンは発言がすでにプロ。アマチュアではないですわ(笑い)。

 こういうオーラみたいな雰囲気を持った選手って、ここ最近の高校球界からは出てきていなかったですもん。とにかく、コイツは心が強そうやなあ、と。この間まで中学生だったとは思えないぐらい堂々としている。1年生だから周りは先輩ばかりなのに、あんな堂々とした立ち居振る舞いはできないですよ。

 それからね、打球を遠くへ飛ばす力があるのは素人のボクがパッと見ても分かりますよ。遠くへ飛ばす力というのは、練習してできるようなものじゃない。だから彼も言っていたけれど、初戦の1本だけじゃダメでしょ。それではお客さんが満足しない。「僕を見に来てくれているお客さんを楽しませないといけないでしょ」という自覚のようなものが、あの年齢で身についている。芸人のボクから見たら、ここはもうホンマに清宮クンに弟子入りしたい気分ですわ(笑い)。

 あんまりすごい発言ばかりするからボクも含めてファンの人たちは“ホンマは何を考えているんやろ”って思っている部分もあると思うんです。ミステリアスなところを感じさせる。イチロー(マーリンズ)さんみたいな超一流の人のように、予想をはるかに超えることをやってくれそうな予感もありますよね。

 同じ「早実」ということで王さん(現ソフトバンク会長)のようなホームランアーティストにはなってほしいですね。あと長嶋さん(巨人終身名誉監督)みたいな華やかさも出してほしい。だから1人で「ON」になる存在を目指してほしいんですよ。まだまだこれから壁にぶつかるとは思うけど、その要素は十分にあると思う。やさしそうな顔をしているのも、スター性がありますよね。絶対に「1人ON」として人気出ますよ。野球に対して一生懸命やっているので絶対に将来すばらしい選手になる。王さんが(報道陣に)「お手柔らかにお願いしますよ」と言ったように僕も温かく見守りたい。

 最後に…。今大会では清宮クンと東海大相模の小笠原クンとの対戦はぜひ実現してほしいですね。ここで清宮クンがホームランなんか打つと「コイツなんやねん!」と、日本中が度肝を抜かれますよ。

 そういう意味でも清宮クンは日本の宝、潰したらアカン。守っていきたいですね。(お笑い芸人)

☆かみじょう・たけし=1977年12月31日、兵庫・淡路島生まれ。板東英二のモノマネで人気の松竹芸能所属のピン芸人。高校野球にめっぽう詳しく、テレビ朝日系「アメトーーク!」の高校野球大好き芸人にも出演した。ユニークエピソードを集めた観戦日記「甲子園(笑)伝説!」(文芸社)を発売している。