巨人ナインのストレスが限界に達している。当初は休養日だった10日、原監督ら首脳陣は予定を変更し、急きょ全体練習を行った。7月以降、巨人の休日返上は実に4度目となり、貧打解消につながるどころか、心身の疲労はたまる一方。首脳陣の求心力は急低下している。中でもナインの妻たちがここにきて“反乱寸前”の雰囲気だという。

 ナインが「またかよ…」と絶句したのは、本拠地で10年ぶりの屈辱となる広島戦3タテを食らった試合直後だった。原監督の怒りの大号令で休養日は突如召し上げられ、中継ぎ陣を除く全員が10日も朝早くからジャイアンツ球場に集った。

 雨天だったこともあり、室内での練習は短時間で終わったが、選手たちは軒並み不機嫌モード全開。「休日を返上すれば勝てるんですか?」と捨てゼリフを吐いて球場を後にした主力もいた。

 選手が不満を募らせる気持ちも理解できなくはない。チーム成績が振るわない今季、一軍は例年にない過酷日程を強いられている。名古屋への移動休養日を変更して全体練習を行った7月3日以降、休日返上は約1か月で実に4度目。一方で“代休”は1日もない。球宴休みの2日間を除き、休日と呼べたのは、3日だけで、それも福島への移動日だった。

「打てないんだから、練習するしかない」という首脳陣の方針に、当初は素直に従っていた選手たちも我慢は限界。とはいえ、「何億円ももらいながら、働いていないんだから仕方ない」という声は根強い。ただ、裏方さんたちは完全なとばっちりだ。ナインの間からは「肩を休ませる暇もない打撃投手の皆さんは本当に大変。申し訳ない」と同情する声が相次いだ。

 そして、休日返上を乱発する首脳陣に、今最も不満を爆発させているのがナインの妻たちだという。ある妻帯者の主力は困りきった顔でこう明かした。「実は今日も家族で出かける予定を入れていたんですが『ごめん、練習になった』って言ったらカミさんが『はぁ?』ってブチ切れて…。子供がいる選手は『プールや遊園地に連れて行こうにも、予定が立てられない』って嘆いています」

 別の選手によれば「選手の奥さん同士でも『どうして、今年はこんなに休みがないの?』って話題になっている」という。「でも、僕らは『勝てないから仕方ないんだ』としか言えませんからね…」。“職場”と家庭の板ばさみになって苦しむ選手が続出しているのだ。

 原監督は「勝った、負けたで一喜一憂する必要はない」と語ったが、チーム内から一斉に「それならなぜ、負けたからといって休日がなくなるんですか!?」とツッコミが入るのも当然。アメを取り上げ、ムチが入るばかりの巨人は息切れ寸前だ。