阪神は7日のDeNA戦(横浜)を4―7で落とし、首位奪取に失敗した。育成枠出身のDeNAの左腕・砂田毅樹(20)にプロ2勝目を献上。今季は「左腕アレルギー」に苦しむ虎だが、これを他球団も見逃さない。ペナント争いがさらに激化する中、虎ナインに恐怖の“サウスポー地獄”が襲いかかりそうなのだ。

 どれだけ左腕にやられれば気が済むのか。初回こそDeNA先発の左腕・砂田からゴメスの右前適時打で先制したが、2回以降は打線が沈黙。降板する5回まで得点が奪えず、和田監督は「今日は追加点を取れなかった…」と厳しい表情だった。関川打撃コーチも「(2回以降)低めにも集まりだして粘られてしまった」とがっくり。先発のメッセンジャーが4回まで無安打と力投していただけに打線が見殺しにした格好だ。

 とにかく、今季の阪神は左腕に苦しめられている。巨人・ポレダには5戦で1勝4敗。広島・ジョンソン、中日・大野ら左腕にも要所で敗れている。和田監督も「同じ投手、かつ左腕にやられることが目立つ。これをどうにかしないと…」と話すなど、そのアレルギーは深刻だ。

 そんな阪神を見てほくそ笑むのが他球団007たちだ。「阪神は相当、左腕を嫌がっている。技術的なものもあるんだろうけど、もはや精神的な部分も大きそうだ。シーズン序盤は好投手の左腕に抑えられていたが、ここにきてそこまで突出していない左腕も打ちにくそうに見えるケースが増えてきた。意識しすぎているのは間違いない」(あるセ球団スコアラー)

 別の球団のスコアラーは「せっかく苦手意識を持ってくれているのだから、各球団とも今後は阪神に積極的に左腕を当てにいくことになる。まだどこもゲーム差は大きく離れていないし、ここから大事な時期。どこもなりふり構っていられないからだ。阪神にとっては嫌な包囲網になるよ」と“虎イジメ”を予告した。

 セ5球団が足並みを揃えて左腕をぶつけてくれば阪神にとっては最悪事態だが、すでにここ3試合で2度も左の先発投手をぶつけられており、その“サウスポー地獄”は現実のものとなりつつある。これを乗り越えなければ阪神の10年ぶりのV奪回はない。