【ズームアップ甲子園】鹿児島実(鹿児島)が豪打を爆発させた。大会第1日(6日)第1試合で北海(南北海道)を相手に19安打18得点を奪う猛攻を見せて圧勝。宮下監督は「『普段通りに落ち着いて楽しんでこい』と送り出したが、みんな試合でも平常心を保っていた」と目を細めながら振り返った。

 鹿実ナインが大舞台でも全く動じずに平常心を保ち、指揮官を満足させることができた裏側には早朝トレの存在がある。寮住まいの部員たちは早朝5時半の起床が義務づけられ、6時半から7時半まで1時間のトレーニングがメニューとして組まれている。これを大会が行われる期間以外は一年中ぶっ通しで続けなければならないが、この内容がまたすごい。

 部員たちは上半身裸の短パン一丁姿で集合し、まずはチームグラウンド外野の左翼付近から右翼付近までを全力ダッシュで7往復。それが終わると、外で筋力トレーニングをただひたすら黙々と行う。時にはメニューの最後で、さすがに氷水ではないが“アイス・バケツ・チャレンジ”ばりに頭から水をかぶる荒行まであるそうだ。

「暑い夏場ならいいんですが、真冬なんてシャレにならない。体を動かす前なんて、寒さのあまりに全員ブルブルと震えていますよ。それに短パンの下は何もはいていないから、必死こいてメニューをこなしているうちに大事な部分が“ポロリ”となってしまっているヤツもいます」(ある選手)

 この早朝トレは同校野球部の伝統的な名物特訓で、現ソフトバンクの本多らOBたちも在籍時代は毎日、悶絶していたという。しかし、この過酷な特訓を繰り返し続けているからこそ、選手たちは「肉体面もさることながら、とにかく精神面がすごく鍛えられる」と口を揃える。ちなみに上半身裸であることで、同校の女子生徒たちから「カッコいい」と熱いまなざしを向けられることも多いそうだ。