<広島2-8阪神(6日)>普段どおりのユニホームで試合に臨んだ阪神ナインも、平和への思いは同じだ。

 和田監督は「野球をやれる喜びを感じながらやりたい。これは広島だけのことではないので。日本国民として同じ思いで今日の試合(6日、マツダスタジアム)に臨みたい。広島は背番号86をつけて試合をするが、我々もそういう気持ちで試合を迎えないといけない」と思いを口にしてグラウンドへ。

 午前中に行われた平和記念式典に足を運んだマートンは「(戦争に)関わった国が母国と今いるところ。複雑な思いがあった。一度行くべきと思っていた」と神妙な面持ちで試合に臨んだ。

 初回に福留が16号2ランを放ち先制すると、3回には今成の内野安打で1点を追加。さらに二死一、二塁のチャンスにルーキー・江越が適時二塁打を放った。原爆投下時刻の午前8時15分、自主的に黙とうしたという長崎出身のルーキーは「毎年この時期は野球ができることに感謝しています」と話す。

 試合を決めたのは、特別な思いを口にしていたマートンだった。6―2で迎えた7回一死二塁で打席に入ると適時二塁打を放ち勝利を確実なものとした。特別な日に行われた試合で平和への思いを胸にプレーし、2連勝。阪神が貯金3と再び勢いを取り戻してきた。