第97回全国高校野球選手権大会が6日、兵庫・西宮市の甲子園球場で開幕した。開会式直後の第1試合では、鹿児島実(鹿児島)と北海(南北海道)が対戦。

 高校野球100年目の大会は、王貞治氏(75=福岡ソフトバンクホークス球団会長)の始球式で華々しく開幕した。

 かつての甲子園優勝投手が58年の時を経て、聖地のマウンドで美しい弧を描く白球を投げ込んだ。「朝、お風呂に入って身を清めてから来ました」という渾身の1球は、中からアウトローへ食い込む見事なストライク。万雷の拍手と大歓声が甲子園を包んだ。

「選手の皆さんが見ていたので良い球を放らなくてはいけないと思いました。内心ドキドキでした。恥をかかなくて良かったというのが本心」と、安堵と達成感が入り混じった柔和な笑顔を浮かべた。

 大会注目の清宮ら母校・早実ナインも見守る中、甲子園が生んだスーパースターは後輩たちに「精神的にも肉体的にも成長する時期、思い切ってやってほしい」と力強いエールを送った。