雄星のメンタル「まだ17歳程度」

2012年09月29日 12時00分

 まだまだ信用されていないということか――。逆転優勝に向けて負けられない2位・西武は、10連戦の初戦となる25日の楽天戦(西武ドーム)に3―2で辛勝。4位・ロッテと引き分けた首位の日本ハムと1ゲーム差に迫った。勝利の立役者は先発で8回途中2安打2失点と好投した菊池雄星(21)だが、チーム内での信頼度はイマイチ。ついに“NGワード”まで設定された。

 オーティズの7号2ランとカーターの適時打で7回までに3点の援護をもらった菊池だが、8回に悪いクセが出た。先頭の銀次に四球を与えると、続く牧田に中前打を許して無死一、二塁。球数は91球と少なく、体力的には続投も可能で「今日は良かった。久しぶりに納得できる球」との手応えもあったが、渡辺監督にあっさりと交代を告げられた。

 リリーフ陣が2失点で切り抜け、菊池は昨季に並ぶ4勝目を挙げたが、プロ初完封を逃したのがよほど悔しかったのだろう。お立ち台で「信頼されるようになりたい」と本音をのぞかせたものの、首脳陣が信用しないのは“前科”があるからだ。

 前回18日のソフトバンク戦では2回に4四球と制球を乱して自滅し、女房役の炭谷から「もともと制球が良くないのに勘違いするな」とアドバイスされたほど。12日のオリックス戦でも3点リードで迎えた7回に無死一、二塁のピンチを招いてマウンドを降ろされた。12日の試合でマスクをかぶった上本は「3点もらって『完封するぞ』と雄星に言った途端、急に腕の振りが悪くなった」と証言する。

 いみじくも菊池は、この日のお立ち台で「僕は気持ちで投げるピッチャー」とも話したが、気持ちが前のめりになりすぎると抑えが利かなくなるというわけだ。杉本投手コーチも「17~18歳の男の子(の恋愛)と一緒で、自分だけその気になってしまい、意識しすぎてダメになる。アイツも、もう大人なんだけどな」と苦笑する。

 そんな菊池をうまくコントロールするには、どうすればいいのか? そこでナインが考えたのが「雄星のボール自体は、だいぶ成長しているし、いつ完封してもおかしくない。ただ、アイツが投げる時は完封の2文字は言わないようにしないと」というNGワードの設定だった。

 渡辺監督が「(シーズンの)序盤だったら、あのままいかせていた」と説明したように、息詰まる終盤戦に突入して完投、完封のハードルは高くなっている。菊池の先発は多くてあと2戦。西武浮沈の鍵を握るのは「8、9回も任せられるピッチャーになりたい」という左腕の精神的成長だ。