阪神は長期ロード初戦の4日の広島戦(マツダ)を5―6で落とし、今季8度目の3連敗。序盤に広島・黒田を攻略しながら、先発・岩田が乱調、安藤の救援失敗などで悔しすぎる逆転負けとなった。これで首位・巨人とのゲーム差は1・5と拡大。そんな中、チーム内からは同じライバルであるはずの2位・ヤクルトに「頑張れエール」を送る声が…。

 長期ロード初戦に痛くて重い敗戦だ。打線は広島先発の黒田から3回までに4点。このまま試合の主導権を握るはずだったが、先発の岩田がグスマンに2ランを浴びるなど、そのリードを守れず5回途中4失点でKOされ「(打たれたのは)失投です。言い訳にはならない…」。3番手の安藤も救援に失敗してジ・エンド。和田監督は「今年はこういう状況で辛抱して戦ってきた。まだまだ、明日からいきます」と巻き返しを誓うしかなかった。

 これで首位・巨人とは1・5ゲーム差となったが、そんな中、阪神内から噴出しているのが、2位・ヤクルトへの「頑張れエール」だ。「今は巨人とヤクルトが直接対決をしているが、今日はヤクルトが負けた。ここでヤクルトが巨人に3連敗でもしようものなら首位戦線から脱落しかねない。ウチとしては巨人とのマッチレースはギリギリまで避けたいから、ヤクルトに頑張ってほしいんだよ」(球団関係者)

 なぜ、阪神はヤクルトにエールまで飛ばして巨人とのマッチレースを恐れるのか。別の関係者がこう説明する。「ここ数年、ウチは巨人を追う展開が続いてきた。そこで“巨人を倒さないと”“巨人戦を何とかしないと”とみんなが意識しすぎてしまった。その結果、肝心の巨人戦で力んで結果が出ずに優勝を持っていかれた。だから巨人とのマッチレースはできれば避けたい。ヤクルトには巨人倒しをお願いしたいんだ」

 今年は例年にない「大混セ」。だんごレースのままならば、虎ナインも必要以上に巨人だけを意識する必要がなくなる。しかし、ここにきて中日がペナント争いから脱落。AクラスとBクラスとの間にもゲーム差が開き始めており「何とか、もうしばらくヤクルトを含めた三つどもえの戦いを続けたい。巨人だけに集中するのはもう少し先にしたい」(球団関係者)というのがチームの本音。2位チームに「頑張れ」とは虫がよすぎる感じがしないでもないが、今の阪神は大真面目にそう考えている。