<DeNA4-5広島(2日)>広島は2日のDeNA戦(横浜)に5―4で逆転勝ちし、連敗を2でストップ。一日で4位復帰を果たした。救世主となったのはロサリオだ。1点を追う8回無死二塁から、値千金となる中越えの2号2ランを放った。先発した福井が2点のリードを守りきれず降板するなど苦しい展開だったが、“代役登録”されたばかりの助っ人が、同一カード3連敗の危機からチームを救ってみせた。

 初球から狙っていた。1点を追う8回無死二塁、ロサリオは3番手・平田が投じた変化球を強振。打球はバックスクリーンに突き刺さる逆転2ランだ。横浜スタジアムに訪れた赤ヘルファンを総立ちにさせた助っ人は、試合後のお立ち台で「待っている球が高めに来た。チームの勝ちに貢献できてうれしい。本当に幸せ」と笑顔を見せた。

 前日(1日)シアーホルツが熱中症の影響で抹消。代わって登録されたロサリオは、この日が昇格後初スタメンだった。外国人枠の問題で二軍暮らしが続いたが「打席でしっかりと自分が打てる球を待つようガマンしていた」とファームでコツコツと打撃改善に努めたという。前日は代打で1安打、この日も2安打2打点と、その成果を見せている。暑熱対策についても「暑さは問題ない。若いころから暑い中でプレーしてきた」と、過酷な戦いを乗り切る自信はたっぷりの様子。今後の爆発も期待できそうだ。

 チーム状況は苦しかった。前田、ジョンソンの柱2人で連敗しての3戦目は、福井が先発マウンドに立った。デビュー年の2011年に5勝1敗とDeNAをカモにした福井は、通算8勝3敗と苦手意識はなし。「僕は悪いイメージはない」と対戦をむしろ心待ちにしていた。

 ところが、右腕は3回に相手先発・モスコーソにまさかの左前適時打を許すと、2点リードの6回には無死一、三塁のピンチを招き、梶谷に7号3ランを被弾。6回4失点でマウンドを降りるハメになった。

 だが、この日は打線が奮起した。3試合ぶりに1、2番と並んだ菊池、丸の「キクマル」コンビが3回に短長打で先制点をもぎ取ると、5回にも菊池の犠飛で着実に加点。最後に助っ人の一振りで2戦連続の2ケタ安打がようやく実を結んだ。

 緒方監督は「この時期はどうしても投手がキツいので、野手が投手を助けてあげないと。ミスが多くなる時期。反省して指導していく」と話しながら、3連敗阻止にホッとひと安心だった。