中日・谷繁元信監督兼捕手(44)は25日のヤクルト戦(神宮)で野村克也氏の通算試合出場の日本記録3017試合に並んだ。もはや新記録達成は間違いなく、地元・名古屋などは大盛り上がりだが、加えてチーム関係者は「低迷しているチームは、何かのきっかけで状況が好転することがある。大記録達成のお祝いムードがいいきっかけになるかも。巻き返しの起爆剤になるんじゃないか」と期待する。

 昨季も“実績”があるからだという。それは9月5日の阪神戦(ナゴヤドーム)で、49歳25日の山本昌が、そのシーズンに初先発して5回無失点の好投で最年長勝利のプロ野球記録を達成した“効果”。当時のチームは8月に月間ワーストの20敗を喫し、一気に下降線に突入。何とか5位で踏みとどまったが、最下位転落も間近の状況だった。それが山本昌の大記録達成でチームのムードががらりと一変し、カード3連勝に成功。その後も勢いは衰えず、記録達成の日から12勝8敗1分けと貯金を増やし、DeNAをかわして4位フィニッシュすることができたことだ。

「山本さんの勝利でムードががらっと変わったよね。実は、そういう狙いもあったんだけど、あそこまでうまくいくとは思わなかった」と首脳陣の一人も当時を振り返る。27日現在、中日は今季ワーストの借金11で首位・ヤクルトとは7ゲーム差をつけられ、5位の広島とも3ゲーム差。混セの中で置いていかれそうな状況だけに、何としてでも谷繁監督の大記録を巻き返しのきっかけにしたいところだ。