ペナントレースも後半戦に突入し、セ・リーグは首位から最下位まで4ゲーム差と大混戦となっている。一方のパ・リーグは、貯金24としたソフトバンクが2位を6ゲーム差と引き離して首位を快走。どこまで独走してゴールテープを切れるのか注目されている。そんなパ・リーグの今後はどうなるのか。本紙専属評論家の伊原春樹氏が独自の視点で占った。(成績は23日現在)

 率直に言って首位のソフトバンクがV候補最有力なことは間違いない。チーム打率、防御率ともにトップであることに加え、この時点で得失点差が3桁(得点385、失点284)もあるチームはそうない。投打ともにバランスの取れている証拠である。特にクリーンアップを中心に破壊力のある打線は脅威だ。

 では、他の上位2チームはいかに、ソフトバンクに挑んでいけばいいのか。まず2位の日本ハムは、前半戦だけで10勝(1敗)を挙げたエース・大谷を前面に出した戦い方をしていくべきだ。極端なことを言えば、野手の練習をやめさせて、後半戦は投手に専念させる。それぐらいのことが必要だ。

 その上でソフトバンクとの直接対決時にはカード頭に投げさせ、一つ勝ってチームに勢いをつける。大谷を中心としたローテーションでソフトバンク打線に向かえば、勝機も生まれてくる。イキのいい若手外野手も目立つ。特に「右の糸井」と言われる2年目の岡には注目している。

 一方、3位の西武も巻き返しには前半戦1勝に終わったエース・岸の奮起が必須だ。打線はしょせん水もの。投手を中心とした守りの野球が徹底できれば、十分にソフトバンクと戦っていけると思う。あとはケガ人が出ないこと。これはどのチームにも言えるが、特に主力とファームの選手に差のある西武ではより重要なことになってくる。

 最後に好調なソフトバンクだが、気になる点を一つ。テレビ中継などを見ていると、工藤監督の表情が気になって仕方がない。もともと喜怒哀楽は激しいほうだが、ニヤニヤして締まりがないように感じる。

 チームを預かる監督たる者、威厳も必要。また選手もそういった監督の姿をよく見ているものだ。こういったところから、ほころびも生まれかねない。ライオンズ時代のかわいい後輩だからこそ言っておきたい。お願いしますよ、公康クン。