阪神は21日の巨人戦(甲子園)に2―1で勝利し、2位タイに浮上。ここ4戦、白星のなかった先発のランディ・メッセンジャー(33)が8回無失点の力投で今季6勝目をマークした。ネット裏では大の阪神ファンで知られる世界的俳優の渡辺謙(55)が前日20日に続いて観戦。試合後、本紙に「打倒・巨人」に向けたエール&注文を語った。

 8回6安打無失点の力投でチームを勝利に導いたメッセンジャーは「低めを丁寧に、というのを今日は特に狙った。(今季ワーストの)2奪三振でも、こういう投球をできたのは良かった」と満足げ。人気俳優・渡辺謙が観戦していたとあって「喜んでもらえて良かった。こちらも応援している」と笑顔だった。

 和田監督や福留とも親交がある渡辺は大の虎党で、毎年必ず観戦に訪れている。米ブロードウェーのミュージカル「王様と私」で主演を務めるなど世界的な俳優だが、そんなVIPが本紙を通じて阪神に「打倒・巨人」「V奪回」のための“謙さん流エール”をぶち上げた。

「阪神はまず後半戦で(巨人に対して)五分、あるいは勝ち越せるかどうかが重要だと思います。トータルで勝ち越すのは難しい(21日現在、対戦成績は阪神の6勝10敗)かもしれないけど、クライマックスシリーズ(CS)には巨人も出てくる。その時のために、精神的に負けないようにしておかないと…」

 今季は歴史的「大混セ」。優勝争いが例年以上に激しくなるのは容易に想像できる。そんなシーズンでリーグ戦終盤、さらにはCSまで巨人への苦手意識を引きずらないため、阪神は何よりも直接対決で巻き返すことが急務というわけだ。

 その宿敵・巨人と戦う上での重要ポイントにも言及。「去年のCSでも、チーム全体で相手投手に球数を投げさせて崩したりしたが、そういうことが重要になると思います。今日は(試合に勝ったとはいえ)タッタタッタと試合が終わりましたからね」と独特の表現を用いながら、昨年のCSで巨人を撃破した「チーム一丸の緻密野球」の復活を求めた。

 阪神の10年ぶりのV奪回を期待する渡辺は次回の甲子園観戦を「はっきりとは分からないですが、高校野球が終わったころになるのでは、と思います。もちろん(日本シリーズ開催時期の)10月末も空けてます」と発言。これを受け、ある球団関係者は「次回、謙さんが来る時にチームが首位争いから脱落していてはいけない。できれば首位という状態にしておかないと。それは選手みんなが思っている。今日の試合でも“勝って喜んでもらおう”となっていた」という。ハリウッドスターにここまで楽しみにされては、やらないわけにはいかない。必死で応援してくれる渡辺のためにも勝つしかない阪神だ。