杉内不調の原因を前田幸長氏が分析

2015年07月22日 16時00分

マートン(手前)に2点二塁打を許した杉内はマウンドでぼうぜん

 巨人の先勝で迎えた阪神―巨人の甲子園首位攻防第2ラウンドは、2―1で阪神に軍配が上がった。天敵・メッセンジャーに8回まで零封された打線もさることながら、心配なのが決勝打を打たれ6回途中2失点で降板した杉内俊哉投手(34)だ。この試合の前の3試合でも14失点、この日の敗戦で6月以降は1勝5敗と不振にあえいでいる。不調の原因はどこにあるのか。本紙評論家・前田幸長氏が分析した。

 

 5回まで無失点で切り抜けていたものの、6回二死一、二塁でマートンに内角高めに入った136キロの直球を狙い打たれ2失点、結果的にこれが決勝点となった。原辰徳監督(57)は「本来の投球をしたと思うが、これからはああいう場面でどう抑えるかが重要」と淡々と振り返った。

 

 とはいえ、最近の杉内は打たれすぎと言わざるを得ない。すべての球種が高めに浮いてしまうこともあり、周囲からは“技術よりも年齢的な問題では”との声も上がりはじめているのが現状だ。

 

 前田氏は「年齢的なものも多少はあるだろうが、その前に技術面でどうしても気になるところがある」と、投球フォームの“ある一点”に着目した。「いいときの杉内のフォームと比べて、今は右足が上がりきる前に上半身がホーム側に出てきてしまっている。これはボールが高めにいってしまう典型的なパターンなのだが、本人はそれに気づいているのか。そこさえクリアできれば、低く投げる技術自体は持っているのだから、まずはそのチェックをする必要がある」

 

 しかし今回、前田氏が疑問視したのは杉内だけではない。それは「捕手」だ。昨年までほとんどの試合を阿部と組んできたが、今年は相川(5試合)や実松(5試合)、小林(2試合)と固定されていない。この日、バッテリーを組んだ加藤も2試合目だった。問題なのは防御率で、3・09の加藤以外、相川4・70、実松5・01、小林4・09とすべて4点台を大きく下回っている。ちなみに阿部は一塁からの再転向中に3試合バッテリーを組み、防御率は1・89だったから、その差は歴然としている。

 

 前田氏は「今は緊迫した状況もあるし、密な準備をするのもわかるが、投手のタイプに合わせたリードを心がけることも大事ではないかと思う。杉内は昔から制球に関してはアバウトな投手。あるコース一点を徹底的に投げさせるような“しつこい捕手”ではない方が合っているし、力を発揮できる。ちなみに対照的なタイプを挙げるならば高木勇。今は調子を落としているが、序盤は抜群の制球力があった。こういう投手にはデータを重視した“しつこいタイプ”が向いている」と、捕手サイドにも改善の余地があることを指摘した。

 

 杉内は降板後「いいペースで投げることができていましたが、この展開で先に点を与えてはいけませんでした。自分が粘りきれませんでした」と自らを責めた。背番号18は後半戦、再び輝きを取り戻すことはできるのか。