恩師に救われた苦悩のポスト松井

2012年09月27日 18時00分

 プロ4年目の巨人・大田泰示外野手(22)が23日のヤクルト戦でプロ初本塁打を放った。松井秀喜外野手(前レイズ=38)がつけた背番号「55」の後継者でありながら苦しい日々が続いていたものの、ようやく飛び出した待望の一発。その裏には支えてくれた“恩師”からの言葉があった。

 東京ドームのスタンドが大歓声に包まれた。1点リードの8回一死。大田はヤクルト3番手・山本哲の投じたスライダーを思い切り振り抜くと、打球を左中間スタンド最上段へ放り込んだ。プロ初本塁打にふさわしい豪快な一発。ベンチの原監督も手を叩いて喜び、グータッチで出迎えた。

 大田は節目の一発について興奮気味に「すごい気持ちが良かった。ファームでは(本塁打は)あったが、一軍で打つ感覚は今まで経験したことがない。球場内の盛り上がりは一生、忘れない」。入団時から活躍を願ってきた指揮官も「何度か夢に見たことが現実になった。チーム、本人、私たちにとっても大きなホームランだったと思う」と感慨深げだった。

 松井の後を継ぐ長距離砲と期待されながら、なかなか結果を残せなかった。苦悩していた大田を支えてくれた恩師がいる。原監督の実父であり、大田を東海大相模高時代に指導した原貢氏(77=東海大系列野球部顧問)だ。

「大砲候補と期待されながら結果を残せず悩む大田に『お前は大卒選手と一緒だ。入団4年間で結果を残せばいい』と励まし続けたそうです。昨年首位打者を獲得した長野が大卒だったことを例に挙げつつ『大器晩成型でいけ』と言われたことで、大田も『ありがたい』と感謝していました」(チーム関係者)

 長い目で見続けてくれた恩師の言葉があったからこそ、この日の一発に結びついたというのだ。

 チームにとっても大田のブレークは好材料だ。「これからの戦いを考えたら(大田の活躍は)大きい。どんどん成長してもらいたい」とは岡崎ヘッドコーチ。CSファイナルステージに向け、新戦力の台頭を素直に喜んだ。

 最後に大田は重みのある背番号55について「番号の重みはある。自分は松井さんのようになれないけど、自分なりの長距離打者のスタイルを作っていきたい」と言い切った。もうゴジラは過剰に意識しない。支えてくれた恩師の思いに応えるために自分のカラーを前面に押し出し、今度こそ暴れまくるつもりだ。