大阪 オリックスファンの聖地に潜入!

2015年07月27日 10時00分

グッズを手にポーズを取る「紅紅」の従業員ら

 大阪にオリックスファンが集うお店が存在する。3年前にオープンした韓国料理店「紅紅」(べにべに=大阪市西区)だ。今季から京セラドームの試合でお立ち台に上がる選手にプレゼントされる「ヒーロー賞」のスポンサーになったことで、オリックスファンのお客さんが増殖。クライマックスシリーズ(CS)進出のミラクルを起こすべく、夜な夜な盛り上がる同店に潜入した。

 

 7月に丸3年を迎えた紅紅の店内は選手のユニホームやサイン、バットなどが壁一面に飾られ、オリックス一色。奥に大画面のテレビも設置され、スポーツバーのような雰囲気だ。テレビではオリックス戦をほぼ全試合中継し、ファンが集まって京セラの右翼席さながらの盛り上がりとなる。

 

 李賢一社長(53)は「阪神ファンの集うコアな店はあってもオリックスファンのお店は聞いたことがなかったですからね。私はもともとオリックスファンではなかったんですが、2011年に(同郷の)イ・スンヨプさん(現サムスン)と朴賛浩さんが入団したことで応援してみようと思った。それでシーズンシートを買い始めたんです。その後も李大浩さん(現ソフトバンク)が入ったので応援を続けました。李大浩さんはお店にも来ていただきました」と話す。

 

 今季からスポンサーとして「ヒーロー賞」の食事券を提供。ヒーローインタビューの際にはドーム内のビジョンに紅紅の広告が映し出される。あいにくチームの低迷で賞の連発とはいかず、李社長は「勝負事なんでしょうがない。勝ちもあれば負けもある」と苦笑いだが、紅紅は確実にファンに浸透していった。

 

 シーズンシートをまとめて購入して奈良県の自治体に寄付し、野球少年らをオリックス戦に招待。店のホームページでもオリックス色を前面に打ち出し、さらにツイッターやフェイスブックでも情報を発信している。ファンの集いにも店を提供するなど、紅紅は完全にオリックスとともに歩み始めた。今では遠方からのファンも駆けつけ「最初は連敗続きで店の名前も広まらなかったですけど、徐々に知っていただいて認知度が上がってきたかなと思います」(李社長)と実感している。

 

 チームは優勝候補と目されながら開幕からまさかの低迷が続き、前半戦は店に集うファンと思うように喜びを分かち合うことができないでいたが、当然、まだあきらめるわけにはいかない。「下馬評が高いことがプレッシャーになるかな、とは思ってました。戦力を整え、なんとかCSに出てほしい。若手も西野選手、ハングリーなカラバイヨ選手もいる。CS狙いで頑張って、来年につながる試合をしてほしい。勝つことが店の宣伝にもなるわけですから」(李社長)

 

 ミラクルを想定したサービスも考えている。文成日店長(36)が「CSに出場したら1週間、無料で飲み放題なんかいいですね。阪神ファンは困るので、ファンクラブの会員証とか、ファンと証明できるものを持ってきてもらえれば。CSに勝って優勝したら1か月飲み放題でいきましょうか」とプランを明かせば、李社長も「その時は虎の“踏み絵”を用意しとかんといけませんね」と悪ノリ。

 

 オリックスファン拡大のため、楽しいサービス提供に思いをめぐらせる李社長。ミラクルの夢が現実となり、虎ファンに負けないお祭り騒ぎができれば最高だ。