【マツダオールスターゲーム2015】広島・黒田博樹投手(40)が“男気詣で”を逆利用する。球宴では8年ぶりの日本球界復帰となった右腕が他球団の選手から質問攻めにあうことが確実。黒田はこれを歓迎しており、普段接することのない若手選手からも自分にないものを吸収するつもりだ。

 本拠地・マツダスタジアムで行われる第2戦で先発予定の黒田は「広島でそういう流れになるのはプロとしてありがたいこと。野球をやっていてよかったなと感じる」と、後輩である前田との豪華リレーに腕をぶした。

 8年ぶりの出場にファンからの注目は集まるが、それ以上に熱視線を送りそうなのが他球団の出場選手たち。ペナントレースとは違ったお祭りムードとあって普段話をする機会のない選手からの“黒田詣で”を受け、助言を求められることが予想される。

 男気右腕も「学ぼうとする姿勢はピッチャーにとって大事。分かる範囲で伝えられれば」と大歓迎。一方でチーム側も黒田が他チームの選手と絡むことを強く望んでいる。「よその若手と話すのは黒田にとってもメリットになる。実績など関係なく自分のためになりそうなことならば誰からでも吸収しようとするタイプ。オールスターでも何か持ち帰ってくるはず。どんどん話をしてきてほしい」(チーム関係者)と、接触を図りにくる選手を“逆利用”すべきというわけだ。

 実際、今季の黒田は年下のチームメートからヒントを得て日本野球に適応している。先発ローテを守る前田や野村からは苦手としていたカーブの投げ方を伝授され試合で効果的に使用。また、1日の巨人戦でプロ初勝利を挙げたドラフト2位・薮田和樹投手(22)の調整も参考にしようと、ルーキーから根掘り葉掘り聞き出しているほどだ。それだけに球宴では楽天・松井裕のチェンジアップやDeNA・山崎康のナックル、さらには西武・森の豪快な打撃など自分にないものを“盗む”絶好の場になる。

 黒田自身も「年上年下に限らず感覚などチャンスがあれば話を聞いてみたい」と面識のない選手とも積極的に交流を図っていくつもりだ。

 16日に発表された侍ジャパンの一次候補メンバーにも名を連ねた黒田。球宴すらもステップにしてさらなる進化を図るつもりだ。