巨人が前半戦最終戦となった15日のDeNA戦(横浜)で2―3のサヨナラ負けを喫し、前半戦首位ターンどころか、まさかの借金1。2位陥落で折り返しとなった。この日の試合前、原辰徳監督(56)が前半戦のオーナー報告を済ませていたこともあり、目立った“波乱”はなかったようだが、球団フロントは戦々恐々。後半戦もいきなり波乱の幕開けとなるのでは、との声が上がっている。

 渡辺恒雄取締役最高顧問(89)、白石興二郎オーナー(68)の3者で行われたオーナー報告を済ませ、球場に到着した原監督は、その内容について「『思い切ってやってくれ』というところですね。まあまあ、成績のなかで今日まで5割ということでしょ? そのぶん半分は負けているわけだから。『そういう点ではチームにもお前さんにも、私にもストレスはあるぞ』と。『これから頑張ろうじゃないか』と」と淡々と語った。

 この時点では首位とはいえ勝率は5割で、大混戦を招いた“立役者”。それだけに球団フロントからは「大ナタが振り下ろされるのでは」という不安の声もあった。とりあえずは“セーフ”のようで、球団関係者も安堵していたが、それもここまでだった。

 いざ試合が始まると、打線はいつも通りの拙攻に次ぐ拙攻。そして最終回。守護神・澤村が二死満塁のピンチを招くと、5番・ロペスの打球を三塁手・村田が後逸。まさかのサヨナラ負けを喫した。借金生活だけでなく、再び2位転落。借金を背負っての折り返しは、3位に終わった2011年以来という不吉なデータ付きだ。

 これで球団は再び戦々恐々。あるフロントは「球宴明けのロードでヤマ場がくるかもしれない」と暗い顔で予測した。巨人の後半戦は大遠征で始まる。20日から阪神(甲子園)、広島(マツダ)、さらに松山と京セラドームで巨人主催のDeNA3連戦。ビジターは今季15勝26敗(1分け)と散々で、この3カードの結果いかんで、秋を待たずストーブリーグが“開幕”することを危惧しているのだ。

 前出フロントは「ウチは今年、ビジターで勝てない。しかも今のチーム状態では正直、5割で乗り切るのも難しい。いろいろ“火”がついてしまうのは、これを終えてからだろう」。球宴休みという調整期間を挟んで臨む後半戦とはいえ、いきなり苦手のビジター、しかも長期遠征という二重苦に、なかば“覚悟”したような様子だ。

 試合後、原監督は「前半戦のような戦い方では到底、我々が目標とするものは達成できない。そこに『上乗せ』するものが大きな課題であるということで、後半戦を迎えるということですね」ともがき苦しんだ前半戦を振り返った。果たして後半戦が巨人にとって“波乱の幕開け”となってしまうのか。