首位・巨人に一矢報いて再び1.5ゲーム差に迫った和田豊監督(52)は「何とか(連敗が)止まったので(球宴まで)あと2試合、しっかりした試合ができるようにしたい」と安堵の表情を浮かべた。

 3連戦初戦は初回に先制点を奪いながら不振のはずの村田に4号2ランを浴びるなどして逆転負け。2戦目は2―11と大敗…。“眠れる巨人”の目を覚ましたかのような勢いの前に「今日は厳しい戦いになるかもしれない。でも球宴明け(20日)からも甲子園で巨人と3連戦あるし、そこで巻き返せばいい」(チーム関係者)と弱気な声が上がっていた。

 そこには昨季のトラウマもある。絶対に負けられない勝負どころでことごとく巨人に敗れて失速を強いられ、9月9日からの3連戦では15年ぶりに甲子園で3連敗を喫し、完全に息の根を止められもした。今回、嫌な予感がよぎるのも無理はなかった。

 しかし、巨人は目を覚ましていなかった。この日、序盤こそ巨人先発・菅野を攻めきれなかったが、1―1で迎えた8回に2番手のマシソンに集中打を浴びせて3点を挙げ、3タテを阻止した。

 巨人の勢いをストップさせたことで、チーム関係者は「去年の巨人打線だったら2戦目までの勢いのまま攻めてきてやられていただろう。ところが、それがなかった。エースが粘っていてもリリーフがいまひとつだったし。やっぱり今年の巨人はそこまでではない。離されなければいくらでもチャンスはある」と手応え十分。首脳陣も「確かに、去年ならば押し切られていたかもしれない。あれでは巨人が(だんごレースを)抜け出すことはないな。まだまだオールスター後もだんご状態が続きそうだ」(あるコーチ)と十分勝負できると感じている。

 1勝2敗と負け越したものの、今の巨人の実力にニンマリの虎。この自信は不気味だ。