藤浪7勝!進化の証しは「2つの顔」

2015年07月06日 16時00分

マウンドでの無表情が目立つ藤浪

 阪神は5日のDeNA戦(横浜)に8―1と快勝し、再び貯金を1として首位キープ。先発の藤浪晋太郎(21)が8回4安打1失点12奪三振と好投し、自身6連勝で7勝目を挙げた。これで今季の奪三振数は115となり、日本ハム・大谷の107を抜いて12球団トップ。藤浪の進化を虎首脳陣は絶賛するばかりだが、それは「顔」にまで及んでいるという。

 

 打って、投げて、走って――。自身6連勝を決めたこの日の試合は、まさに「藤浪劇場」と呼ぶにふさわしいものだった。

 

 打撃では2回二死二塁でDeNA先発の三浦が1ボールから投じたスライダーを叩き、左中間へ先制二塁打。藤浪は「変化球を待っていて、そんなに飛ばなかったが、いいところに落ちた」としてやったり。これで打率は1割9分4厘。メッセンジャー、能見、岩田の先発4本柱の中ではダントツの成績だ。

 

 走塁でみせたのは6回。四球で出塁すると、続く上本の二塁打で一塁からホームまで激走、最後は「必死の中のプレー」という野手顔負けの猛スライディングでチームに5点目をもたらした。

 

 肝心の投球は言わずもがな、DeNA打線を圧倒だ。「(雨で)スパイクの裏とかに泥がついて歯がかからなかったりしたが、粘り強く投げられた」(藤浪)。和田監督は「だんだん、いろんな引き出しが増えてきている」と目を細めるばかりだった。

 

 そんな藤浪の進化の一端は「顔」にも表れているという。「入団当初から藤浪はマウンドで表情をすぐに変えていた。それが先月くらいから序盤に少し出るか、出ないかくらいで、ほとんどなくなってきたんだよ。(石仏といわれる)呉昇桓みたいにね。マウンドで悔しがったりすると相手に“いける”という空気を与えてしまうものだけど、最近の藤浪は何を考えているか、分からないから、相手打者は嫌がっていると思うよ」(あるコーチ)

 

 ここまではただのポーカーフェースだが、藤浪の場合はそれで終わりではない。「マウンドでは表情を変えないけど(自軍攻撃中の)ベンチではすごくリラックスしていて周囲と雑談して笑顔も見せる。あれは周りを安心させるし、チームに力を与えているよ」(球団関係者)。別の「顔」があるわけで、この日は自身が先制二塁打を放った直後の2回裏に四球から失点したことを、ベンチで「打った後に四球を出すなよ」とからかわれた際「すいません」と苦笑いで周囲を和ませる一幕があったという。

 

 自軍ナインをリラックスさせつつ、敵軍を威圧する藤浪。日増しに、その存在感は大きくなっている。