【大下剛史の熱血球論】ヤクルト・真中監督が「野村再生工場」再建

2015年07月07日 10時00分

ベンチでのたたずまいに風格が出てきた真中監督

 【大下剛史の熱血球論】前代未聞の大混戦となっているセ・リーグは中日、DeNAが脱落しつつあることで二極化の様相を呈してきた。広島に2連敗したヤクルトも正念場を迎えたものの、戦前の低評価を考えれば、ここまでは大健闘と言っていいだろう。

 

 真中監督は1年目ながらベンチでもどっしりと構えていて、何年もやってきたような風格さえ感じさせる。春のキャンプ中に目指す野球を尋ねた際に「野村野球です」ときっぱり答えていたが、ブレることなく現役時代に培った元監督、野村克也さんの野球を踏襲している。

 

 如実に表れているのが投手起用だ。エースの小川が精彩を欠く厳しい台所事情ながら、秋吉―ロマン―オンドルセク―バーネットの勝ちパターンを確立した。崖っ縁にいた新垣や山中を我慢しながら先発で使って戦力にしてしまうあたりは、まさに“再生工場”と言われた野村さんの野球だ。投手のやりくりがうまくいっているところを見ると、2学年上の高津投手コーチとも良好な関係が築けているのだろう。

 

 野手にしてもそう。去年まではバレンティンの一発に頼る大味な野球だったが、その大砲が早々と離脱したことでかえってチームとしてのまとまりができたようにも感じられる。派手さはなくとも、投打とも大崩れしないスタイルができているのはヤクルトの強みだ。

 

 館山が帰ってきて、石山も一軍復帰に向けた準備を着々と進めている。球宴までの7試合で借金を完済し、上位陣に踏みとどまれるようなら、秋に大輪の花を咲かせても不思議ではない。 (本紙専属評論家)