世界の王が解説「柳田の変幻自在スイング」

2015年07月04日 10時00分

1日の西武戦、三塁線を破る適時打を放つ柳田

 ソフトバンク・柳田悠岐外野手(26)が大暴れしている。2日の西武戦(ヤフオクドーム)では第1打席に17号ソロ。打率は3割8分1厘で、トップの西武・秋山を2厘差で追っている。それにしても豪快なフルスイングをしながら、なぜ高打率をマークできるのか。柳田の才能にほれ抜いている王貞治球団会長(75)はその秘密について、本紙にこう分析した。

 

柳田が初回、17号ソロを放った。それも首位打者争いでデッドヒートを繰り広げる秋山の頭上を越えていく中越えの一発だ。持ち味は豪快なフルスイングで、本塁打の飛距離は怪物級。交流戦では横浜スタジアムのビジョンを“破壊”したほどだ。それでいて4割近い打率を残せているのはなぜなのか。入団時から柳田を高く評価している王球団会長はこう見解を示した。

 

「形にはまらない。それが相手からしたら一番嫌なんじゃないかな。形にはまる人というのは、こうやっておけば抑えられるというのがあるんだけど。彼は形がない。変な言い方じゃなくてね」

 

 王会長が注視するのは豪快なスイングの中に隠された“変幻自在ぶり”だ。タイミングがバッチリ合えば、フルスイングがはまって本塁打になる。また、一見して崩されていても、その中で痛烈な当たりのヒットを生むことができる。追い込まれれば軽打することもできる。「彼のバットが振り終わらない限り、結果が分からないというかね。我々の時代は形がありきで、形がなければ確率が悪いという時代だった。それから50年か。変わってきているということじゃないかな」と続けた。

 

 直近の例として挙げたのは、1日の西武戦の第1打席で、追い込まれながらも放った逆方向の三塁線を破る適時打だった。「ああやって三塁線を抜かれちゃったりね。今は広角打法じゃないと生きていけない時代。高打率を残している人はみんな90度に打つ。それに彼にはパワーにも優れたものがあるしね」とうなった。

 

 この日の柳田は、珍しく本塁打を自画自賛し「いいバッティングができてうれしい」とニッコリ。頭になかったカーブをとらえられたとのことで「とっさの反応とボールに対するバットの軌道がよかった」と話した。

 

 日に日に成長する姿は王会長も「この3年間で彼自身も(自分が)変わっていると思っているだろうし、我々も変わっていると思っている」と目を細める。柳田のさらなる覚醒に期待が集まる。