巨人・菅野 密かに誓う「黒田超え」

2015年06月30日 16時00分

高木勇(左)からボールを手渡される菅野

 巨人が30日の広島戦(東京ドーム)でメジャー帰りの右腕・黒田博樹(40)と8年ぶりに対決する。勝ち頭でもあるルーキー・高木勇が先発で迎え撃つが、その陰でひそかに“黒田超え”を誓っている男が菅野智之(25)だ。かつては自身の“理想”としていた男気右腕を、菅野は今どう感じ、どう超えようとしているのか。

 休日となった29日、広島戦に先発予定の高木勇、杉内、ポレダがジャイアンツ球場で練習を行った。2004年から渡米前の07年まで3勝13敗と分の悪い黒田にルーキーがぶつかっていくとあって、斎藤投手コーチも「実際は打者と戦うわけだから。その辺は意識しないでいってほしい」としながらも「5回までは何とか点を与えないようにしないと難しい。ましてや黒田だったらそんなに打てないでしょうから。頑張り合いじゃないですか」と期待を込めた。

 当の高木勇も「全部が上回っている。学べるところはいっぱいある」と敬意を見せつつ「アウトを一つずつ取っていきたい。今は1年目、胸を借りて自分らしくやるのは当たり前」と、自分に言い聞かせるように語ったが、そんな黒田との対戦を待ち望んでいたのがエース・菅野だ。

 新人時代は黒田の著書「決めて断つ」をバイブルとし、カットボールなど動くボールを多投してバットの芯を外す、黒田の投球術に心酔。

 だが、昨年はそのスタイルを封印し「ボールをこねくり回しているだけでは壁にぶつかる」と、直球をはじめ基本的な変化球の精度向上へ切り替えた。とはいえ“黒田流”を完全に捨てたわけではないという。菅野は「やっぱり軸は『真っすぐ主体』。しっかり真っすぐという土台があっての(動くボール)だったらいいんですけど、それ主体の真っすぐじゃいけない」としつつ、こう続けた。

「(ボールを動かす投球術は)年を取ったら頼ればいいと解釈する人が多いと思いますけど、黒田さんは逆のことを言っている。今、若いうちからツーシームやカットボールなど動くボールを身に付ければ、日本からアメリカに出て活躍する選手がもっと出てもおかしくないと。だから『出し惜しみ』をするんじゃないと。僕もその頭は常に持ってます」

 黒田が若いうちにできなかった「教訓」に学び、試合では完全封印したワンシームをはじめ、動かすボールの鍛錬を人知れず行っていることを明かした。

 今回は黒田と投げ合う機会がなかったが、背番号19は虎視眈々と“黒田超え”を狙っている。