冴える緒方采配が続けば球宴までに広島首位もある

2015年06月29日 16時00分

采配が板についてきた緒方監督

【大下剛史 熱血球論】広島が28日の中日戦で今季一番とも言える会心の試合運びを見せた。特に目を見張ったのが、緒方監督の采配だ。

 

 1番の丸が2安打3四球と全打席で出塁した中で、2番の菊池に多彩なサインを出した。すべてがハマったわけではないが、ヒットエンドランに犠打と状況に応じて攻撃にバリエーションを持たせたことで、相手バッテリーも「何を仕掛けてくるか分からない」と戸惑ったはずだ。

 

 3回は菊池の犠打でチャンスを広げ、新井の先制2ランが飛び出した。5回のシアーホルツの適時打による追加点は、無死一、二塁から強行した菊池の右邪飛で二走のジョンソンが三進した直後のこと。菊池が相手バッテリーに神経を使わせることでクリーンアップが機能するのは理想的な展開だ。

 

 これまでは1番が出塁すると、判で押したように2番に送りバントを命じる機会が多かった。菊池が依然として31犠打でリーグトップなのは、その表れだ。しかし、そもそも緒方監督はこの日のように多彩な攻撃を仕掛けることを理想としていたはず。それがここへきて実行できるようになったことは大きい。選手ものびのびとプレーしていたように映ったし、何より緒方監督自身が楽しく試合を進められたのではないだろうか。

 

 30日から球宴までは6球団による総当たり戦になる。その大事な5カードのスタートとなる巨人戦を前に、広島は選手と指揮官の足並みが揃ってきた。2008年を最後にシーズンを通しての勝ち越しがない鬼門・東京ドームで互角以上の戦いができれば、球宴までに首位に立っても不思議ではない。(本紙専属評論家)