<広島4-0中日(28日)>今度こそ信じていいかもしれない。広島が28日の中日戦(マツダスタジアム)を4―0で制し、連勝を飾った。打っては先制の4号2ランを放った4番・新井をはじめ、3番・シアーホルツ、5番・エルドレッドのクリーンアップで全4打点。投げては先発・ジョンソンが8回無失点の好投でリーグトップタイの7勝目を挙げた。依然として借金4ながら、首位の阪神とは3・5ゲーム差。明日30日からの敵地・東京ドームでの2位・巨人との3連戦へ弾みがついた。

 チャンスで4番の新井が勝負強さを発揮した。「打った瞬間は越えてくれと思いながら走っていた。(ボールが)肩口からきてくれて反応できた」。中日先発・山井が投じた高めに抜けたスライダーをフルスイングすると、打球は左翼席の看板を直撃した。4号2ランで貴重な先制点を叩き出した主砲は、7回の第4打席でも二塁打を放った。

 チームの中での存在感は増すばかりだ。今年38歳を迎えてベテランは、ベンチで誰より声を張り上げ味方を鼓舞する。新井は「勝ちたいし優勝したい。そういう気持ちが声になっているのかなと思う」と意図的ではないと言うものの、緒方監督は「(チームの)精神的な支えになってくれている。ベンチでもしっかり大きな声を出して仲間を勇気づけてくれているし、試合に出ればバットで結果を残してくれている」と絶賛する。

 この日のお立ち台でも一丸ムードを象徴するシーンがあった。新井がヒーローインタビューの終わりに鈴木誠から水をかけられる手荒い祝福を受けたのだ。ベテランは「しっかりと覚えておくよ」とマイクパフォーマンスするなど、リアクションも完璧だった。

「自分のほうがだいぶ上だけど、素直でいい子が多い。とにかく自分が一生懸命、必死にやって、あとはそれを見てどう感じてくれるか」とは新井の弁。背中で見せてくれる先輩を渇望していた若鯉にとっても、ありがたい存在となっている。

 規定打席には届いていないが、打率は3割1分5厘で打点はチームトップタイの36。新井は「野球は失敗の多いスポーツ。それでも次の日はやってくる。反省するところはするが、前へ前へと思ってやっている」と意気込む。

 目指すは24年ぶりのリーグ制覇。8年ぶりに古巣へ復帰した新井の使命は一つだ。