阪神打線爆発の裏にあった「新井貴への思い」

2015年06月25日 16時00分

広島戦勝利を喜ぶ阪神ナイン

 阪神が24日の広島戦(富山)に7―2と快勝。貯金1ながら、単独首位に浮上した。先発の能見篤史(36)が8回途中、2失点と好投すれば、打線も11安打7得点と爆発したが、この勝利の裏には虎ナインの“あの人への思い”があったという…。

先発・能見は序盤から危なげない投球だった。4回には自らのバットで2点適時打を放つなど投打に活躍。8回途中に左ふくらはぎをつるアクシデントで降板したが、4安打2失点の投球に和田監督も満足げ。「状態が良かった。降りるまでテンポ良く相手の中心をきっちり抑えたから」と、赤ヘル打線の中心である4番・新井貴浩内野手(38)を無安打に封じ込んだことを絶賛した。あるコーチも「今日の能見は新井に対して気合が入っていた。そこを抑えられたのが大きい。昨日は(新井に)やられていたしね」とニンマリだ。

 24日現在、阪神のチーム成績は打率2割3分5厘、本塁打34、得点215、失点287、防御率3・79。すべてセ・リーグ最下位だ。そんなチームが貯金1ながら、単独首位に立った。何とも不思議な現象だが、この日の阪神の勝利の裏には、昨年までの虎戦士、広島・新井の存在があった。延長12回、6―6で引き分けた前日23日の試合で、新井は8回に福原から1点差に迫る追撃の3号ソロ。虎サイドは、この一発で赤ヘル打線が活気づき、9回の同点劇につながったとみて、この日は打倒・新井を最大テーマにして徹底マーク。そして、能見は結果を出した。

 バッテリー陣だけではない。前日の新井の活躍は虎の野手陣も奮い立たせていた。「新井さんが新天地であれほど頑張っているのに、自分たちが負けるわけにはいかないですよ」(ある選手)と11安打7得点。首脳陣も「“新井に負けられない”という思いは選手みんなにあった」という。単独首位がかかったゲームなんて関係ない。チーム関係者も「そんなことよりも、みんな、新井さんに負けられないという思いの方が強かったんだよ」と声を大にした。

 全員が“新井への思い”を爆発させた形で広島戦に勝利し、単独首位に浮上した阪神。順位について、和田監督は「(混戦のため)1日で変わるので、変わらないように頑張ります」と話したが“新井効果”でチームのムードも上がったのは確かだ。