中畑DeNAがようやく連敗を12で止めた。23日の巨人戦(東京ドーム)で2点を先制されたものの、6回二死走者なしから好機を作り、倉本、下園の適時打で一挙4得点。9回には主将・筒香の12号2ランも飛び出し7―2で快勝した。

 2日のソフトバンク戦(横浜)以来となる3週間ぶりの勝利に、中畑清監督(61)は「ここ(東京ドーム)で連敗を止めることができた。変なモノを感じる」と夢うつつ。そんな感動の逆転劇を生んだのは、ナインが“身の丈”を再確認したおかげだった。この日の試合前、選手会長・下園の発案で連敗中、初めて選手だけのミーティングが行われた。約5分間と短いながらも下園は「前半戦の残り18試合をどう戦うか。一人ひとり目標を話した」と説明したが、詳細については「カンベンしてください」と明かさなかった。

 だがDeNAナインによれば「みんなで球宴を貯金1で迎えると確認した」と具体的な“数値目標”が設定されたという。この日の試合を含めた18試合を11勝7敗で乗り切れば、貯金1で前半戦を終えられる計算だ。

 一時は貯金11まで到達し約1か月間、首位を守ったことを思えばあまりにもつつましい目標。それでもチームは9年連続Bクラスだ。勝率5割は13年連続でなかったことを考えれば、貯金1は最も現実的な数字といえる。

 DeNAは選手の平均年俸が12球団最低。前半戦の快進撃を自ら「珍事」と受け入れたことで選手たちもプレッシャーから解放された。弱小をわきまえて原点に戻ったDeNAは再び無欲で戦えるか。