
中日は19日の巨人戦(東京ドーム)で8-5と逆転勝利。終盤からの激しいシーソーゲームを制し、首位・巨人とのゲーム差を2・5とした。
延長10回一死から代打の藤井と亀沢が連続内野安打で好機をつくり、ここで平田が、交代したばかりの宮国の初球の変化球を右翼席へ勝ち越し3ラン。「すごくうれしいです。絶対に勝たないといけない試合だった。初球から狙っていました。たぶん入ると思った。逆転して勝ったので波に乗っていきたい」と平田は満面の笑みを浮かべ、谷繁兼任監督も「野手は最後まで粘り強く、平田は一振りで決めてくれた」と喜んだ。
内野手の荒木を左翼の守備に就かせるなど、総力戦での勝利にもなったが、その舞台裏はヒヤヒヤものだった。9回に併殺打の間に同点として、エルナンデスの右前打で1点を勝ち越し。その裏のマウンドは守護神・福谷の出番かと思われたが、中日ベンチは、1点ビハインドの8回から登板していた又吉の続投を選択。だが、それが裏目に出て、9回に同点に追いつかれてしまったからだ。
なおも一死一、二塁のサヨナラ負けのピンチは又吉が何とか踏ん張り、10回に平田が3ラン。その裏は福谷が無失点に抑えて勝利したが、もしも9回に負けていれば、間違いなく采配ミスと批判されるところ。9回裏の“福谷温存”について友利投手コーチは「先に駒を使いきっちゃった方が負けという展開。我慢比べになると思った」と言い、谷繁監督は「又吉で逃げ切れていれば一番いい展開になったけど、先を見ながらということ…」と話したが、まさにぎりぎりのところでつかんだ白星だった。