阪神が中日のレジェンド左腕・山本昌(49)の復活を大警戒している。18日、阪神二軍がウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で右ヒザ故障から復帰の山本昌と対戦。梅野ら一軍控え組8人などで臨み、新人・江越が本塁打を放つなど一応の結果を残したが、その裏側で…。

 中日のレジェンド左腕から豪快な一発を放った新人・江越は「完璧でした。(山本昌と同じく)自分もできるだけ長くこの世界で活躍したいと思います」と振り返り、右前打を放った梅野は「打ったことより対戦できて光栄だった」。若虎たちは、対戦しただけでも感慨深かったようだが、虎首脳陣らの山本昌への警戒心はさらに強くなっている。

「改めて投球術は見事。50歳になるとは思えないものだ。右打者への内角攻め、相手の懐に入る勇気のある球…。今年はストライクゾーンが広くなっているから、マサ(山本昌)のような投げ分けができる投手は厄介。間、テンポ、雰囲気と去年と全く変わっていない。ウチは去年、いいところでやられたから、それを(今年は)どうするか…」とは掛布GM付育成&打撃コーディネーター。浜中二軍打撃コーチも「二軍でよく打たれても、上に上がると抑えてしまうのが、これまでのマサさんのプロたるところ。今日打てても関係はないと思う」と話した。

 阪神にとって山本昌は屈辱の相手だ。昨年9月5日の試合(ナゴヤドーム)で5回無失点に抑えられ、49歳25日での日本球界最年長勝利を献上。阪神はこの敗戦を機に6連敗し、V逸にもつながった。それだけに、ある球団関係者は「昨年は、あの敗戦でウチがガクッときたのは確か。また今年も大事なところでやられれば、えらいことになる。山本昌は決して打てない投手ではない。だけど、打てる、という相手に負ければ、そのダメージは大きい。だから、しっかりした1本の対策を決めていかないとまた…ということもある」と心配する。今年の阪神は「同じ投手に2、3度とやられてしまう」(和田監督)ことが目立つだけに、なおさらだ。

 最悪なのは、レジェンド左腕に日本球界最年長記録に続いて、世界最年長勝利も“プレゼント”してしまうこと。もしもそうなれば、山本昌の大記録とともに、やられたチームとして2度も名を残すことになるのだから…。8月11日で50歳になる山本昌に再び、抑えられるわけにはいかない阪神だ。