いまだ一軍での登板機会がないソフトバンク・松坂大輔投手(34)は17日、西戸崎合宿所でリハビリ組の練習に姿を見せた。この日は屋外でのランニング、室内でのキャッチボールなど約2時間、軽めの調整で右肩の状態を確認した。

 松坂をはじめ、各選手が地道な調整を続けるリハビリ組。半年先の完治、復帰を描く者もいれば、完治が難しい状況で戦列復帰のため状態を上げる選手もいる。松坂とともに汗を流す選手たちは、かつての怪物の状態をどう見ているのか。

 ある選手は言う。「これは一人のプロとして、フラットな目で見た感想。世間では様々なバッシングがあるが、松坂さんは天才だと思うことがある。なぜかというと、万全ではないヒジや肩をかばいながら投げている。そういう状態で投げる技術があるということ。普通、その技術はない。だから天才」

 さらに続ける。「そして、もう1つ思うのは『心が強い』。投げようとしている姿勢は、心が折れていない証拠。『投げることで批判される』とか、そういう些細なこと以上に、かばいながら投げる時点で自分だったら『無理』ってなる。心が折れる。でも、松坂さんって、そういう状態で投げている」。コンディションは一向に良くならないようだが、それでも投げ続ける松坂の芯の強さに感心した。

 地道な調整を黙々とこなす松坂の姿を見ている同選手は「即戦力、高額年俸だから、投げる姿勢を見せるのは当然だって世間は見る。でも来年、再来年で取り返すという考え方が、もっと先に来ていいと思う」とも語る。

 実戦復帰までかなりの時間がかかりそうだが、松坂は前だけを見ているようだ。