広島が異例の「サイン自粛願い」をしたワケ

2015年06月18日 10時00分

ファンにサインする大瀬良(写真と本文は関係ありません)

 広島が公式ホームページ上でファンに対してサイン自粛をお願いしている。プロ野球界では異例と言える呼びかけの裏には、サインを求める一部のファンが暴走し、一歩間違えば大事故という危険な事態があった。

 アクシデントが起きたのは5月の遠征中。試合翌日の朝、新幹線で移動のためナインが駅に向かうと、そこにはサインや写真撮影を求める熱烈なファンが待っていた。もちろん、応援してくれるファンのため、選手たちは快く応じた。そして新幹線の到着時刻が近づくと“サイン会”を打ち切り、選手たちは乗車位置に向かって歩きだした。

 ところが一部の常軌を逸したファンがプラットホームを移動する選手を追い掛け、さらにサインを求めたことでその場はパニック。駅員の警告にも耳を貸さず突進したため、他の乗客との押し合いに発展。さらに、おしくらまんじゅう状態から押し出されたファンがホームに入ってきた新幹線と危うく接触しそうになる“大事故未遂”も起こったという。

 この事態を重くみた球団側が、ホームページ上で公共の場でサインを求める行為の自粛を求める呼びかけを行ったというわけだ。同時に「人が多い場所などでは周囲への迷惑を考えて、なるべくサインをしないようにと伝えている。何かが起きてからでは遅いので…」(球団幹部)と、選手たちにも移動の際のサインの自重を徹底。ただ、過去に経験のない事態だけにチーム関係者からは「人気が出るのはありがたいことだけど、こういったところで怖い面もあるのは確か」と困惑の声が上がっている。

 開幕前は優勝候補に推されながらも、投打がかみ合わずに最下位に低迷。しかし、交流戦を9勝9敗で乗り切り、一時は8・5あった首位とのゲーム差を4・5としてリーグ戦再開に臨む広島。ここから順位を上げれば“赤ヘルブーム”はさらに勢いを増していくのは確実なだけに、球団や選手は改めて気を引き締める必要がありそうだ。