昨年の打点王、阪神の主砲マウロ・ゴメス内野手(30)が精彩を欠き続けている。15日現在、打率2割6分、33打点、6本塁打で三振数はリーグワーストの65。この現状に球団フロントが異例の“猛ハッパ”をかけているという。その内容は…。

 パ・リーグ最下位のオリックスに3タテを食らうなど4連敗中の阪神。15日、指名練習に姿を見せた和田監督は低迷が続く打線について「はっきり言ってしまえば中心。中心が頑張らないといけないんだ」と本音を漏らした。その「中心」の一人が4番・ゴメスであるのは間違いない。

 ゴメスは「打てる日もあれば、打てない日もある。気持ちを切り替えてやっていくことが大事。(不振を)気にしても仕方がない」と常々話しているが、来日1年目の昨年6月15日時点の成績は打率2割7分5厘、57打点、12本塁打。今季がいかに冴えないかが、わかるところだが、そんな中、球団フロントがゴメスを奮起させようと異例の“猛ハッパ”をかけたという。

「ウチのフロント幹部がゴメスに『今年もしっかり成績を残し、チームに貢献すれば、後に選手を引退した時、中南米担当のスカウトをやればいい。だから、今年優勝できるよう結果を残していけ!』と話したそうです。ゴメスにとってはうれしい話。引退後の保証にもなるんですからね」(球団関係者)

 阪神ではすでに最強救援トリオ「JFK」の一人だったジェフ・ウィリアムス氏と2005年優勝の功労者アンディ・シーツ氏を新助っ人発掘の駐米スカウトとして再雇用しているが、人材豊富とされる中南米の担当は置いていない。それも踏まえてゴメスに話したわけだ。早速、ゴメスも知人の中南米の選手に「阪神の外国人選手への待遇は他球団よりも素晴らしい。やるなら阪神で頑張ればいい」などと訴えているという。

 同じく打撃不振にあえぐマートンについて、あるフロント幹部は「マートンの去就は今のままなら白紙。とても今の年俸(約4億6000万円)なんて払う気はない」というが、ゴメスに関しては「今年、来年と頑張ってもらわないとね」ときっぱり。シーズン途中の獲得が内定したBCリーグ石川のネルソン・ペレス外野手(27)に加え、新たに“第7の助っ人”探しも進行中ながら、ゴメスへの期待の大きさは変わっていない。猛ハッパを受けたG砲の今後の奮闘が見ものだ。