今年の交流戦もパ・リーグの強さが際立った格好となったが、なかでも大きなダメージを受けたのが昨年の交流戦を制した巨人だ。7勝11敗と負け越したのもさることながら、ソフトバンクの強力打線にすっかり自信喪失状態という。

 ロッテ戦でまさかの3タテを食らい、交流戦11位に沈んだ巨人。チームは15日を完全オフとし、19日から再スタートするリーグ戦に向けてそれぞれ英気を養った。

 公式戦再開後、最初のカードでは中日を本拠地・東京ドームで迎え撃つ。中日も交流戦で同じ7勝(10敗1引き分け=10位)止まりと低調だっただけに、ここで叩いて勢いを取り戻したいところだが、そう簡単に事は運びそうもない。「パ・リーグとの力の差をまざまざと見せつけられたことで、選手たちはかなりショックを受けた様子だった。(勝敗の)数字よりもそっちのダメージの方が深刻かもしれない」(チーム関係者)。交流戦を通じて“自信喪失状態”に陥っているというのだ。

 中でもチームが大打撃を食らったのが、5~7日のソフトバンク3連戦(東京ドーム)だったという。あるコーチは「パ・リーグの打線は変化球をマークしながらでも真っすぐを打てた。特にソフトバンク。こちらが力のある真っすぐを投げても、簡単にパワーで持っていかれてしまう。スイングも速いし、体勢も崩れない。しかもフルスイングができていた」と完全に白旗。チームスタッフも「1番もそうだし中軸の3、4、5、6番(柳田、内川、李大浩、松田)は手がつけられなかった…」となかば放心状態で振り返る。もちろん戦前には入念な敵情視察を繰り返したが、その破壊力は巨人ベンチの想像をはるかに上回っていた。

 今季の巨人は好調な先発投手陣に支えられてきた部分が大きい。エース・菅野やルーキーの高木勇らが最多勝争いを演じ、迫力に欠ける打線からもらった数少ない得点を守り抜いてきた。その流れで交流戦前半は6勝3敗で折り返した。だが、その後ソフトバンク戦で3タテを喫して以降、1勝8敗に終わったことからも明らかだ。14日のロッテ戦では、守護神・澤村の直球がものの見事にはじき返され、逆転サヨナラ負け。完全に“ダメ”を押された形で交流戦を終了した。

 原監督は「時間を正しく使ってしっかり心技体がいい状態で、普通のペナントの戦いをする」と仕切り直しを誓っている。リーグ戦再開までの4日間で、植えつけられた“トラウマ”から立ち直れるか。