ソフトバンク・工藤公康監督(52)が“一石二鳥指導”だ。工藤監督は8日、主に二軍・三軍の選手が練習する西戸崎合宿所(福岡市)で行われた一軍投手練習を視察した。本拠地ヤフオクドームが6日に開催されたAKB選抜総選挙の会場に使用されたため、指揮官の珍しい西戸崎来訪となった。


 シーズン中の二軍・三軍ではなかなか実現しない“御前練習”。佐久本三軍投手コーチは「工藤監督にせっかく来ていただいたので『もったいない』と思って指導をお願いした。結果が出ていない若い選手の飛躍のきっかけになればと思って」と三軍で調整している笠原、坂田の両左腕投手の直接指導を依頼した。工藤監督は丁寧な説明と、パイプ椅子などを使った独特の練習法で上着を汗だくにして熱血指導。笠原は「悩みも聞いてもらいましたし、分かりやすかった」と目を輝かせた。


 好評だったのは選手だけではない。新任の佐久本コーチは「選手を指導する際のアプローチの仕方をいろいろ見せてもらった」と指導法の幅が広がったことを喜んだ。


 本来なら休日に充ててもいい一日を、若手育成と指導者育成の両方をかなえる充実した日に変えてみせた工藤監督。グラウンドの内外で存在感は増すばかりだ。