巨人・阿部「抹消」は原監督による“人災”か

2015年06月09日 10時00分

試合前に球場を後にした阿部

 巨人は7日、阿部慎之助内野手(36)が首の痛みのため出場選手登録を抹消したと発表した。攻守の要で精神的支柱でもある背番号10の離脱は、首位を争うチームにとってあまりにも大きな痛手だ。そもそも、満身創痍の阿部の捕手復帰は故障のリスクを伴うことが想定された事態だけに、原辰徳監督(56)による“人災”では、との見方もあるが、球団内での反応は――。

 とうとう恐れていた事態が起きてしまった。球団はこの日、阿部の登録を抹消し、その理由を「首の痛みのため」と発表した。

 阿部はこの日行われたソフトバンクとの交流戦(東京ドーム)の試合前練習に姿を見せず、その動向が報道陣の間でも不安視されていた。そして球団発表を受け、試合前に原監督は「ちょっとコンディションを整えるために時間を与える。(阿部が)いると使いたくなるし、存在は非常に大きい」と声を絞り出し、本人と直接話し合った上で結論に至ったことを明かした。

 阿部は前日(6日)の試合で捕手として途中出場し、9回にマスク越しにファウルチップの直撃を受けていた。首には古傷を抱えており、この一撃が離脱の決定打となった模様だ。指揮官も「(ファウルチップで症状が)悪い方向にいった。詳しくは言えないが、今は戦えるコンディションにないということ」と無念の表情だった。

 渦中の人となった阿部は殺到した報道陣を前に「あまりいい状態ではないので、こういう結果になった。チームに迷惑をかけてしまった」と沈痛の面持ち。「しっかり治して二軍でリハビリをして万全な状態で戻ってきたい。(ファウルチップの)ダメージがちょっと大きかった」と言い残して本拠地を後にした。

 チームに大衝撃を与えた背番号10の離脱。しかし、想定外の事態だったとはとても言えない。そもそも、原監督は満身創痍の阿部への負担を軽減するために一塁にコンバートした。ところが、相川の故障離脱という緊急事態への措置として、わずか開幕7試合で「99%ない」と公言していた阿部の捕手復帰を決断。阿部への負担、疲労が蓄積していくのは目に見えていたはずだ。

 そしてコンディショニング不良を訴えた阿部は2日のオリックス戦を欠場。その後も途中出場を繰り返していたが、マスクをかぶればそれだけケガのリスクは増える。コーチ陣の間でも「捕手はケガが多いポジションだし、特に慎之助はその日ごとのコンディショニングを見ながら使わないといけない」と懸念する声が上がっていた。

 チームを知り尽くし、攻守の要でもあった阿部に頼らざるを得なかったとはいえ、起用を続けていればいずれ起こり得る事態だったはず。指揮官の“人災”と見られても仕方ない。フロントの一人も「(想定された事態?)それはそうだね。もともと慎之助は(古傷を)持っていたわけだから」と表情を曇らせた。人災では?の問いには「いやぁ…、そこは何とも言えない」と明言を避けたものの、阿部の捕手起用に関して球団内でも少なからず物議を醸していたことをうかがわせた。

 いずれにせよ、背番号10に向けられる信頼は厚い。球団関係者が「(シーズンの)先は長い。とりあえずは無理をしないで(リハビリに)専念してほしい」と早期復活を願ったように、阿部はリーグ4連覇、日本一奪回には不可欠な存在であることに変わりはない。この日の段階で復帰時期は未定だが、今後のチームにどう影響するのか。とにかく、ナインが受けたショックは計り知れない。