“前祝い”はならず。異物混入による製造・販売休止から8日に「ぺヤングソースやきそば」の販売を関東で再開した、まるか食品のソフトボールチーム「ぺヤング」が7日、地元の群馬県伊勢崎市で日本リーグ1部第6節の2戦目を行い、ホンダに3―12の逆転負けを喫し、店頭復帰への景気づけはできなかった。

 試合前の場内アナウンスで「いよいよ明日から販売再開です」と紹介されたぺヤング。初回に2安打で1点先制したものの、投手陣が毎回の計19安打を浴びる乱調で、6日の伊予銀行戦に続く逆転黒星に泣いた。

「会社の人が忙しい中、応援に来てくれた。その分、勝って勢いをつけたかった」と主将の小澤麻美外野手(28)は唇をかむ。前半戦を終えて3勝10敗で12チーム中10位タイ。「会社のみんなが、暗くならずに前向きにやっているところで、なかなか結果が出なくて申し訳ない。後半戦は一つでも多く勝ちたい」と田上美和監督(39)は立て直しを誓う。

 主力商品の人気カップめん「ぺヤングソースやきそば」の一部でゴキブリ混入が発覚し、まるか食品の全商品が製造・販売休止となったのは昨年12月のこと。チームは例年なら新シーズンに向けて始動する時期だった。

 混入問題による活動自粛などの方針は出ていなかったが、「あのような状況の中で、グラウンドに出ていいのか」(田上監督)といった逡巡があり、本格始動は開幕まで2か月あまりの2月ごろにずれ込んだ。その間、チームを応援する女性によると「ヘンな人に追いかけられたりすると困るから、選手たちはぺヤングと分かるウエアなどを着て外出しないようにしていた」。

 選手は午前中、麺のかやくを袋に詰めるなどの業務を行い、午後から練習する。“出遅れ”があった分、現在は「練習を多くできるよう配慮してもらっている」(田上監督)。2009年創部、13年に1部昇格。一部を星形にアレンジした「ペ」の字を帽子につける選手たちに、前出の女性は「一流選手はいないけど、いい子たちばっかり」と目を細めた。