阪神は7日の日本ハム戦(甲子園)に4―1で快勝。今季3度目の4連勝で約2か月ぶりの貯金生活に突入した。セ・リーグ首位の巨人にも2.5ゲーム差に迫り、ようやく本調子を取り戻した格好。チーム内では6日に対戦した日本ハム・大谷翔平投手(20)への感謝の声が噴出している。

 初回二死一塁からゴメスの二塁打で先制。2回に同点とされたが5回に、不振だったマートンの適時打で勝ち越し。6回二死一、二塁の好機では好投の能見の代打・狩野が左前適時打を放ち、7回には再びマートンの適時二塁打でとどめを刺した。和田監督は「チームとして勝てないころは、あと一本が出ないことを繰り返した。やっとタイムリーが出ているし、打線にも活気が出てきた」と笑顔だ。

 開幕からの「タイムリー欠乏症」も解消ムードになり、チーム内で噴出しているのが、前日6日に対戦した日本ハム・大谷への「ありがとう」の声だ。「今日、勝てたのは大谷さまさま。7連勝中の大谷にウチが勝った昨日の試合から、そのまま今日の試合に入ることができた。昔からウチは早打ちができなかったんだが、それが大谷のおかげで、できるようになった。本当に感謝したい」(球団関係者)

 6日の試合前に和田監督が大谷対策として「追い込まれたら特に厳しい。普通に行ったら攻略できない」とナインに早打ちを徹底。ナインも「今年の大谷ならダメでもともと」と開き直った結果、1得点ながら相手に今季初黒星を付けることに成功した。これが最高の自信になって、この日の試合も阪神の全36打席のうち、実に60%近い21打席でファーストストライクを打ちに出て快勝できたからだ。

 阪神は交流戦が苦手で、昨季も9勝15敗と大きく負け越した。「交流戦は対戦経験が少ない投手と対戦する。だから本来は決め球が来る前に、早いカウントから打たないといけない。でも、ウチはそれが難しかった。(ファンやOBなどの)注目度が高いから、それで凡打したり、そのまま負ければ“淡泊”とか言われてしまうから、ずっとできないでいたんだ」と、あるコーチ。それが「対大谷」をきっかけに変わった。あしき“呪縛”から解放してくれた「大谷様効果」というわけだ。