中日は7日のオリックス戦(ナゴヤドーム)に4―3で逆転勝利。0―3の5回に和田の2ランで1点差に迫り、8回一死三塁から小笠原の犠飛で同点。さらに二死一、三塁とすると捕逸で勝ち越し点をつかんだ。

 とりわけ、谷繁監督が目を細めたのは荒木雅博内野手(37)の働きだ。8回に先頭打者として代打で登場して左前打。すかさず二盗に成功して無死二塁で逆転劇を演出。指揮官は「荒木が出て、初球をしっかり走ってセーフになってくれたことが大きかった」と評価した。

「初球で決められてよかった」と話した荒木は今季、成功率100%の7盗塁(セ・リーグ6位)。7日現在、チームトップの盗塁数は大島の9だが、60試合に出場して246打数での数字。若手の亀沢との併用の荒木は37試合93打数での結果だ。

 荒木は前監督でもあるOBの高木守道氏超えをモチベーションにしている。「守道さんの球団記録(通算369盗塁)を超えたい。ミスタードラゴンズと呼ばれる人に並んで、超えることで(今後の野球人生の)景色が変わると思う」。この日で荒木は通算358盗塁。高木氏まで残り11を、今季盗塁失敗なしで達成しようと燃えているのだ。

「今年は亀沢の台頭で、あまり試合に荒木は出られていないけど、気合の入り方が違う。いつもならヘッドスライディングは夏場ぐらいからしか見せないのに、開幕からすでに見せているからね」とチーム関係者。ベテラン荒木は、やる気満々だ。