巨人 メンドーサに早くも流出問題

2015年06月03日 16時00分

ジャビットファミリーと記念写真に納まる(左)から田口、メンドーサ、相川

 巨人にまた新星が現れた。2―1で勝利を飾った2日のオリックス戦(東京ドーム)で、2年目のキューバ人助っ人、エクトル・メンドーサ投手(21)が来日初登板。2イニングをパーフェクトに抑えるデビューを果たした。だが球団としては、活躍を喜んでばかりもいられない。21歳の逸材を巡っては、今オフの“流出危機”がささやかれているからだ。

 

 じっくり育ててきた“逸材”が、ついにベールを脱いだ。メンドーサの出番が巡ってきたのは、1点リードの6回。「マウンドに上がる前は緊張した」という右腕だが、緊迫した場面にもかかわらず、投球は度胸満点だった。手元で伸びる150キロ近い直球と緩いカーブを織り交ぜ、2イニングを6人で片付けた。

 

 原監督は「コーチの進言通りの見事な投球」と絶賛したが、今回の一軍昇格はアクシデントによるものだった。ポレダを抹消後、昇格候補だったフランシスコとセペダにコンディション不良が発生したことにより、巡ってきた機会。そこで最高の結果を残した。

 

 メンドーサはセペダに続き、巨人が獲得した2人目のキューバ人選手。だが昨年8月入団した際は「素質はあるが、まだ粗い」との評価だった。潜在能力が開花したのは、今季開幕前。キューバ代表として2月の中南米諸国ナンバーワンを決めるカリビアン・シリーズに参戦し、3試合で1勝1セーブ、6イニング無失点で母国代表の55年ぶりVに貢献。大会の最優秀救援投手に選出された。

 

 この時点でメンドーサの巨人残留はすでに決まっていたが、メキシコで行われた同大会にはメジャースカウトも多数集結していた。巨人関係者は、そこでメジャー数球団がメンドーサに高い関心を示していたことに強い危機感を覚えたという。

 

 昨年解禁されたキューバ国内選手との契約は、基本的に単年。年俸500万円(推定)と格安のメンドーサに関しては、巨人が育成も兼ねて受け入れたことを当初キューバ側は感謝していたという。しかし、当時と現在では状況が変化した。キューバと米国の国交正常化交渉は急ピッチで進んでいる。球団関係者は「メジャーの動向次第で、オフの契約交渉に影響が出る可能性がある」と表情を曇らせる。

 

 メンドーサ自身は念願の一軍デビューを果たし、「本当に感激している。自分の夢がかなった。今後は巨人で結果を残していくことが目標」と笑顔をはじけさせていたが…。せっかく育て上げた選手を、あっさりメジャーにさらわれてはかなわない。メンドーサが好投を重ねれば重ねるほど、巨人の悩みは深まりそうだ。