<広島4-7日本ハム(2日)>救援陣崩壊は深刻だ。広島が2日の日本ハム戦(マツダスタジアム)に4―7で逆転負け。プロ200試合目の登板となった先発・前田が8回2失点と好投し、打線も4番・新井の2打点などで援護した。しかし、9回に登板した中崎、戸田がリードを守り切れない。リリーフ陣についた黒星はついに12個目。このままでは泥沼にハマりこむ一方だ。

 またしてもリリーフ陣が試合をぶち壊した。2点リードの9回、満を持して登板した守護神・中崎が大誤算だった。四球と連打であっという間に1点を献上。さらに一、二塁から大野を三振に抑えたところで首脳陣は戸田にスイッチ。しかし、その左腕も雨中のマウンドに対応できず押し出し四球で同点にされ、岡に適時二塁打を許し試合をひっくり返された。

 エースは雨中のマウンドで気迫をみせた。初回に先制されたものの、その後は左打者を並べてきた日本ハム打線を粘り強く抑えた。2点リードの7回には二死二塁の場面で代打・大谷が登場したが、見逃し三振に仕留めてガッツポーズ。8回に谷口に今季初となる一発を浴びて2点目を失ったが、昨年、札幌ドームでの対戦で打ち込まれた日本ハム打線に借りを返した。

 雨のマウンドには嫌な思い出もある。同じように激しい雨の中で登板した昨年8月15日の巨人戦のことだ。右腕はマウンド上でいら立ちを隠せず3回6失点で降板。大きな悔いを残した。それだけに、200試合目の登板でもあったこの日は昨年の失敗を教訓に粘り強く投げ続けた。7回には一死二、三塁の好機に一発でスクイズを決めるなどバットでも“らしさ”をみせた。

 そんなエースを4番が援護した。1点を追う初回一死二、三塁のチャンスでしっかりと犠飛を放つと、1点リードの6回には適時内野安打で追加点を挙げた。エースが抑え4番が打つ――と最高の試合展開だっただけに逆転負けは痛恨だ。

 緒方監督は「勝たなきゃいけない試合を落とした」と肩を落としたが、これで救援陣についた黒星は12個目。仮に半分で勝利を拾っていたら、今ごろは首位争いを演じていた。何か手を打たないことには泥沼の最下位からは抜け出せない。

 候補はいる。先発で防御率3・17の数字を残しながら1勝5敗と負けが先行している大瀬良の守護神抜擢だ。“炎のストッパー”の異名をとり、2012年に野球殿堂入りを果たした故・津田恒実さんの背番号を受け継いだ2年目右腕こそ、崩壊したリリーフ陣を立て直す切り札だ。