マエケン途中降板で鯉ずっこけ

2012年09月22日 12時00分

 これではまるで糸の切れたタコだ。奇跡のクライマックスシリーズ(CS)進出に一筋の望みをかけていた広島は21日、DeNAに1—3と逆転負け。6連敗でまたもや“夢”から後退した。先発の前田健は5回まで完璧な投球を見せていたものの、腰の張りを訴えて5回無失点ながら無念の降板。松田オーナーからは残り試合での“全勝指令”まで飛んでいたが、いきなりずっこけた格好だ。

 不名誉な記録にあっさり追いついてしまった。2回だ。若鯉の象徴的存在としてここまで全試合に出場してきた堂林のバットは、カウント2—2から国吉の投じたフォークに空を切った。今季通算139個目の三振。2004年にシーツが樹立したシーズン最多三振の球団記録に肩を並べた瞬間だった。

 思い切ったスイングは堂林の持ち味の一つ。本人にも「チャンスで見逃し三振するのは論外だけど、攻めていっての空振り三振はアウトの一つ。そこで1点取るために内野ゴロを打ちにいくような打撃は僕らしくない」というこだわりもある。もちろん“成長の過程”であることは首脳陣やナインも理解している。ただ、他の追随を許さない28失策と合わせた2つのワースト記録がチームの足を引っ張っていることも事実だ。

 4回には二死三塁からエルドレッドがボテボテの当たりで三遊間を破った。「当たりは良くなかったけど、いいところに転がったね」。そう言ってほほ笑んだエルドレッドだが、適時打は9日のDeNA戦の4打席目以来、実に39打席ぶり。チームの雰囲気を一新するまでには至らない。

 予期せぬことも起こった。6回だ。打席には先発の前田健が入るはずだったが、野村監督は主審渡田に「代打・東出」をコール。5回を投げ終えて71球、許した走者は内野安打と四球による2人だけのエースがまさかの降板だ。

 直球のMAXは150キロに達し、3回まではパーフェクト。マウンド上で肩や肘を気にするそぶりはなく、打球の直撃などもなかった。腰に違和感を覚えたという本人からの申し出により5回降板となったが、チームにとってはあまりにも痛すぎた。

 6回には2番手・江草が招いた二死一、三塁のピンチこそ3番手・サファテが断ち切ったものの、7回にはそのサファテが独り相撲で炎上。3四球に自らの失策や長短打が絡んで3点を献上し、試合をブチ壊した。

 先の9連戦をライバルのヤクルトが8勝1敗と大きく勝ち越したのに対して広島は1勝8敗。初のCS進出に向けて松田オーナーからは「(残り試合を)12連勝するしかない!」とのゲキも飛んだが、出直しの試合でまさかの逆転負け。刀折れ矢尽きた広島は、どこまでも転がり落ちていきそうな雲行きだ。

 

広島・松田オーナー「12連勝せんかい!」

“ミラクル堂林”で広島大逆転CS進出だ