ソフトバンク・王貞治球団会長(75)が「ホークス最強打線」再構築のため、陣頭指揮に打って出た。

 1番・中村、3番・柳田、4番・内川、5番・李大浩、6番・松田と続くオーダーはここまで実力通りの力を発揮している。球団関係者も「(故障離脱中の)長谷川、本多がいない中でもすごい。ダイハード打線に匹敵すると言っても過言ではない」と評する充実ぶりだ。

「ダイハード打線」とは主に2000年代前半の王監督(当時)が率いた福岡ダイエーホークスの攻撃陣の愛称で、03年には井口、松中、城島、バルデスの「100打点カルテット」を擁し、シーズン最高打率2割9分7厘をマークした。

 そんな球史に残る強力打線を率いた王会長も、現在の布陣に大きな手応えをつかんでいる。「(ダイハード打線のような)そういう打線になってくれたらお客さんはもっと喜んでくれる。捕手の所と(2番を打つ)今宮の所がつながってくれば、本当にいい打線になる」と、2つのピースが揃えば“伝説の打線”を再現できるという。

 王会長から補強ポイントとして名指しされた今宮は開幕から調子が上がらず、打率1割台と低迷。高校通算62発を放ったドラフト1位も今季6年目で、打撃開眼が待たれる状況だ。そこで王会長はこの日の試合前、今宮の打撃練習を視察して身ぶり手ぶりアドバイス。タイミングの取り方などを助言した。異例ともいえる王会長によるシーズン中の直接指導は今季すでに2回目で、今宮にかける期待の大きさを物語っている。

 王会長の情熱と今宮の努力が結実した時、新生「ホークス最強打線」が完成しそうだ。