中日・谷繁元信監督兼捕手(44)が29日、兼任2年目にして初めて出場選手登録を抹消された。前日28日のソフトバンク戦(ナゴヤドーム)の試合前のシートノックで腰痛を発症し、3回に途中交代。この日の日本ハム戦(札幌ドーム)は初めて“専任監督”として采配を振り、4―2と快勝して連敗を2で止めた。


 皮肉にも抹消となったこの日、谷繁監督は「マツダオールスターゲーム2015」の第5回ファン投票中間発表でセ・リーグ捕手部門のトップに躍り出た。前日が3位だったにもかかわらず、1日で1万465票を上乗せして3万169票を獲得し、前日まで1位だった広島・会沢を抜いた。谷繁監督は「ありがたいです。大して試合に出てもいないのに、ファンに見ていただけているというのはありがたいです」と感謝の言葉を並べた。


 チーム内も谷繁監督の躍進を喜ぶが、一方で球宴後を早くも心配する声も出ている。あるチーム関係者は「今季、ここまでの谷繁監督はあまり無理をしないように出場試合を吟味しているような状態だった。それでも今回のように練習でぎっくり腰をやってしまった。できれば球宴中は少しでも体を休める期間に充てたいというのが本音だと思う」と指摘する。


 ファン投票で選出されながら辞退した場合は後半戦開始から10試合、選手登録ができない。昨年はファン投票で2位につけ、監督選抜で通算12度目の球宴出場を果たしているが、その際も「毎年、これが最後の出場だと思ってやってます」(谷繁監督)とも話していた。それだけに「このまま最終的に1位となれば監督にとっては栄誉なことだけど、体の状態を考えて辞退ということになればチームにとっても痛手になる」(チーム関係者)。票が伸びるほど中日内では悩ましい問題となりそうだ。