広島・黒田博樹投手(40)が29日のオリックス戦(京セラ)に先発し、7回途中2失点で4勝目を挙げた。「右緋骨筋腱周囲炎」による離脱から復帰後3戦目にしての白星に「自分が登板した日にチームが勝てたのが一番。1回登板を飛ばして迷惑を掛けているのでチームの連敗中にカードの頭を取れてよかった」と安堵の表情を浮かべた。


 これで周囲もひと安心…と思いきや、ある“悩みの種”に頭を抱えている。19日からスタートした「マツダオールスターゲーム2015」のファン投票には黒田もノミネートされ、中間発表(29日現在)では2位の巨人・高木勇に約7000票の大差をつけて独走状態となっている。その勢いは3年連続でファン投票1位を獲得している前田も「今年は1位は難しいでしょう」というほど。しかも、今年は第2戦が広島の本拠地・マツダスタジアム開催とあって今後は「8年ぶりに黒田を球宴へ」という機運がさらに高まることは必至だ。


 しかし、離脱の原因となった右足は不安を抱える状況。6連戦が続く交流戦中も余裕を持って登板させることが難しいだけに「選ばれるのは光栄なことだし、本人も意気に感じるはず。ただ、本当は休ませてあげたい。オールスターだからといって手を抜くようなことはできないタイプだし、全力でいくだろうからさらに体と精神に負担がかかってしまう」(球団幹部)と球宴出場によって不休になることを恐れているのだ。

 ファン投票の途中経過について黒田は「票を入れてくれた方々のためにも1試合1試合、1球1球、目一杯投げていきたい」と改めて全力投球を誓っているが、周囲が心配する“不休問題”をどう乗り切るか…。