阪神・藤浪晋太郎投手(21)が27日の楽天戦(甲子園)で自己最長イニングとなる10回を投げ、4安打13奪三振無失点の“快投ショー”を演じた。4勝目こそ逃したが、11回に福留のサヨナラ2ランで勝利したチームに大貢献。今や和田監督ら首脳陣からの信頼も絶大。そんな藤浪がレンジャーズから自由契約となった藤川球児投手(34)に“ラブコール”を送った―。

 圧巻の投球だった。自己最長イニングの10回、計131球を投げ切って許した安打は4、奪った三振は自己最多タイの13だ。「体力的にも余裕がありましたし、何とか抑えられて良かったです。バランスも良かったですし、初回は思い通りにいかない立ち上がりでしたけど、うまく修正できました」(藤浪)。これで14日のヤクルト戦(神宮)から3試合連続で9回以上を投げており、和田監督も「点を取れない中で絶対に先に点をやらないぞという気持ちをマウンドで出してくれた。点を取られる感じがしなかった」と最敬礼だ。

 今や敵なしといった感じさえある藤浪だが、そんな頼もしい男が目下、気にかけているのが、元虎の守護神でレンジャーズから自由契約となった藤川だ。すでに阪神は本格的な獲得調査を開始したが、フロント内部には「果たして使えるのか」といった消極論もある。

 そんな中、藤浪はこう発言した。「チームにいい投手がいるのはいいことだと思います。歓迎? それはもちろんです。球児さんの人柄とか、そういうところも(興味が)ありますし、ストレートの感触とか聞いてみたいことはあります」

 藤浪が阪神に入団した2012年オフに藤川がFAでカブス入りしたため、2人に接点はないものの、藤浪にとって藤川は高卒ドラフト1位の先輩。入団会見では「藤川投手のような、本物の直球を投げる投手になりたい。打者が狙っても打てないような直球を目指す」と目標に挙げた投手だ。当然、あの球児の火の玉ストレートには興味があるのだろう。

 球児の復帰を望む、あるチーム関係者も「球児は明るいキャラクターで投手陣を引っ張っていた。彼の姿勢は阪神の将来を背負う藤浪にも参考になる。球児の直球も全盛期に比べたら劣るかもしれないが、もし帰ってきたら藤浪にはどんどん聞きにいってほしいね」という。あとは藤川が藤浪の声にどう反応するか、だ。