阪神が26日の楽天戦(甲子園)に3―0で快勝した。先発の岩田稔(31)が4年ぶりの完封勝利で、チームは4位に浮上したが、何より頼もしいのがマット・マートン外野手(33)、マウロ・ゴメス内野手(30)の助っ人コンビが揃って調子を取り戻したこと。実はこの裏に意外な人物による秘密のクリニックがあったという。

 阪神が交流戦の開幕戦に勝利したのは2011年以来。

 就任4年目にして“初体験”となった和田監督は「借金は4あったが、ゼロからで行こうという新たな気持ちでいいスタートが切れた」と喜んだ。先発・岩田が散発3安打の完封で今季4勝目をマークしたが、指揮官が特に目を細めたのは3安打を放った3番・マートンと、5回に4号2ランをブチかました4番・ゴメスの助っ人コンビ。

「マートンは、らしい打撃を取り戻しつつある。ゴメスも一発の前の打席で低めの見極めがしっかりできてきたのがいい」とうれしそうに話した。

 実は、この2人には共通項がある。ともに中日助っ人のエクトル・ルナ内野手(35)の“クリニック”を“受診”したことだ。

 最初にルナを訪ねたのはゴメス。4月中旬の敵地・ナゴヤドームでの中日戦前に「ルナに打撃の話を聞いたんだ。打席でのイメージとかね。彼は“センターを越すイメージで打て”と話してくれてね。ボールへのアプローチ方法とかを教えてくれたんだ」という。これを機にゴメスは自己最長の6試合連続打点(4月16日の中日戦から同22日のDeNA戦)など徐々に調子を上げた。

 マートンは今月17日のナゴヤドームでの中日戦の試合前、打撃練習を終えたルナに“クリニック”を依頼したという。「個人的なこと。私とルナだけ(の秘密)よ」と内容は明かさなかったが、ゴメス同様に打撃の状態は、ここから上向いて、17日からこの日までの8試合で33打数11安打だ。

 まさに“ドクター・ルナ”さまさまで、阪神関係者は「ゴメスはルナからアドバイスをもらってからはイライラもしなくなった。マートンも良くなったし、ルナには感謝してもしきれないよ」という。

“ルナクリニック”で復活した助っ人コンビ。いよいよ2人揃って本来の力を発揮する時がやってきた!?