広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)に“サボリ令”が下された。


 エルドレッドはキャンプ中に「右膝半月板損傷」を負い戦線離脱。3月上旬には米国に一時帰国して手術に踏み切ったが、回復が予想以上に早く22日に戦列復帰した。そして復帰3戦目となった24日のヤクルト戦(マツダ)で豪快なアーチを2発放った。昨季の本塁打王の底力を早くも発揮した大砲は「打ってチームの勝ちに繋げるのが仕事」と今季への手応えを口にした。


 そんな頼れる助っ人だけに、チーム内からはほどよい“手抜き”を求める声が上がっている。エルドレッドは左翼手を務めているが守備も全力で行うのが信条。昨季は外野守備の際にスライディングキャッチで投手を助ける場面もあった。しかし、今回のケガはキャンプ中の全力疾走が原因とあって、チーム関係者は「守備も全力を尽くすというのは選手の鑑。ただ、頑張り過ぎてしまい、また怪我をしてしまったら困る。打つほうでかなり頼りにしているからね」と指摘。ケガの再発防止のため“スライディングキャッチ禁止令”を出す考えもあるという。


 24日の試合では9回の守備で、前進守備の頭上を抜かれて逆転を許してしまった。作戦上で仕方ないことだが、エルドレッドが取れなかったことに責任を感じてしまい、今以上に守備に力を入れてしまう恐れもある。その打棒は必要不可欠なだけに周囲は“頑張り過ぎ”を心配している。