<日本ハム0-12ソフトバンク(24日)>うっ憤晴らしの快勝だ。ソフトバンクは24日の日本ハム戦(札幌ドーム)に12―0で圧勝し、3タテを阻止。首位・日本ハムに1ゲーム差に迫った。初回、松田の先制3ランで相手ルーキー・有原の出はなをくじくと、その後も打線の勢いは止まらず今季最多タイの大量12得点。寺原の約1年ぶりの復活勝利をアシストした。7回無失点と好投した右腕を工藤監督も絶賛。明日26日から始まる交流戦を前に、収穫たっぷりの勝利となった。

 強烈な先制パンチだった。日本ハム先発は、前回登板でプロ初先発初勝利を挙げたルーキー・有原。初回二死から3番・柳田の四球と内川の左前打で一、二塁とすると、新5番・松田がバックスクリーン横へ11号3ランをブチ込んだ。「よく飛んでくれました。いい流れで先制点を挙げることができました」(松田)。この日も急性腰痛の症状が改善せず2戦連続で欠場した李大浩に代わって、クリーンアップに入った選手会長の洗礼弾だった。

 2回は二死二塁から2番・川島が中前適時打。続く柳田も左翼線二塁打で加点した。4回も内川が左中間スタンドに4号ソロ。新クリーンアップの活躍に加え、今季初めて6番で起用された中村晃が猛打賞の大暴れで、この日は主砲欠場による打線のスケールダウンを感じさせななかった。

 新オーダーで臨んだ打線は終盤まで攻撃の手を緩めず、今季最多タイ15安打12得点。工藤監督は「5番以降のところでうまくつながらなかったので、中村に入ってもらおうと思った」と説明。

 藤井打撃コーチは「(中村晃の6番起用は)交流戦ではなおさらそうなる」と継続起用を示唆した。

 大量援護を受けた寺原は安定感抜群だった。5日のロッテ戦(ヤフオクドーム)で今季初先発した後は、中継ぎで3試合起用。再び先発に戻ってきた右腕は、3回まで一人の走者も出さない最高の立ち上がりを見せた。「中継ぎで腕を振って投げるというのをやってきて、それが生きているのかな」(寺原)と、許した安打は4回の2本だけという内容。7回92球無失点で今季初勝利を飾った。昨年5月に右ヒザ手術に踏み切り、長いリハビリを経て、約1年ぶりにつかんだウイニングボール。指揮官は「球数を少なく抑えてくれたのは良かった。今後も先発で使っていきたいと思うほど良かった」と手放しで祝福した。今季の交流戦は6連戦が続くだけに、頼もしい存在となりそうだ。

 区切りの試合を収穫たっぷりで締めたソフトバンク。この勢いを得意の交流戦で持続できるか。