<ソフトバンク3-2オリックス(20日)>ソフトバンクは20日、オリックス戦(ヤフオクドーム)に3―2で競り勝ち、一夜にして再び首位に返り咲いた。立役者はこの日が75歳の誕生日だった王球団会長だ。

 試合前から積極的だった。今宮をつかまえて熱血指導。「彼が打てば、もっと勝てるからね。振りはよかった。あとは試合でどれだけ対応できるか。試合後を楽しみにします」。その今宮が期待に応えて大暴れした。

 まずは初回だ。オリックス先発・バリントンの初球の直球を捉えて左中間フェンス直撃の二塁打でチャンスメーク。1点を先制された直後の逆転につなげた。3回の第2打席でも先頭打者として、再び直球を捉えて左翼線への二塁打で出塁。内川の左前適時打で3点目のホームを踏んだ。2安打1得点の活躍で1番打者としての役割をしっかりと果たした。

 王球団会長から伝授されたのは打球を前でさばく意識を持つことだった。藤井打撃コーチによると「詰まらないように前で前でという話をしていただいた」。今宮が逆方向となる右への意識が強くなりすぎているためで「練習では(左翼の)ポールに打てばいい」との言葉もかけられたという。

 最近では王会長が試合前のグラウンドに姿を現すのはまれなこと。ましてや、この日は誕生日。そんな中で今宮がしっかりと結果を出し、うれしい誕生日プレゼントを贈った形となった。

 投げては先発・中田がピンチを背負いながらも粘って3勝目をマーク。王球団会長が監督時代に植え付けた常勝軍団のDNAは脈々と受け継がれている。