阪神が19日の巨人戦(甲子園)に0―8と大敗し、今季4度目の3連敗。借金は今季ワーストタイの5となり、広島と並ぶ最下位に転落した。和田豊監督(52)はマット・マートン外野手(33)を今季初の1番に据えて打開を図ったが、効果なしに終わった。慢性的なダメぶりだが、いったいどうなっているのか。虎OBからはナインの「ネガティブ症候群」が災いしている、との見方が出ている。

 投げては先発・岩田が5回途中6失点でKOされ、マートンを今季初めて1番に据えた打線も、菅野の前に散発4安打で三塁すら踏めずの零封負け。試合後は関川打撃コーチが「(菅野に)打ち急いだというか、よーい、どんでボコボコに(先発・岩田が)打たれてしまったんだから!」と声を荒らげるひと幕も…。和田監督は「打順も含めて打開しようと打撃コーチとは考えながらやっているんだが…。狙い球が絞れずに最初から追い込まれているようにやっている」など、今やおなじみになった敗戦の弁を繰り返すしかなかった。

 それにしても、慢性的となったこのダメぶりは何から来るのか。指導者経験を持つある虎OBはナイン間にはびこる「ネガティブ症候群」を問題視した。

「誰とはいえないが、今年は試合でミスをした選手を励ますために声をかけても『頑張ります! ありがとうございます』とはならずに『いや、僕はもう終わりです』『もう使ってくれないと思いますよ』『自分はダメな選手ですから』などとものすごくネガティブになっている選手が多い。一生懸命、こっちがそうじゃない、といっても『自分は終わりです』と言ってくる。結果が出なくてもここまではやれた、とかプラス思考でまたやり直せばいいのに、それができないから、負けも多くなるんだよ」

 まだシーズンは序盤で挽回のチャンスは残っている。目下、チーム打率(2割2分7厘)、チーム防御率(3・95)ともにリーグワーストだけに強気になれないのも分かるが、これでは士気にも関わる。当然、ベンチ内には暗いムードばかりが漂っており「葬式会場みたいになっている」(フロント関係者)とやゆされているほど。チームの低迷で一、二軍の入れ替えも活発にならざるを得ないから、何かとネガティブ思考になる選手も増えているのかもしれないが、このままでいいわけがない。